中国政府の修学旅行誘致は台湾よりも大規模に展開

中国政府の修学旅行誘致は台湾よりも大規模に展開
台湾の教育部はコメントを発表して朝日新聞に反論

 1月18日付の本誌第444号に、1月15日付の朝日新聞が、日本の教育関係者が台湾当局の負
担で、修学旅行誘致の目的で催された台湾旅行に参加していたことを「『役得』旅行に便
乗する教師たちのモラルが問われそうだ」と批判的に報道したことに対し、宮城県の読者
から、このような報道は「台湾への修学旅行誘致運動を妨げる」と指摘する投稿を掲載し
ました。

 その後、実は中国も同時期に、修学旅行誘致を目的に同じことをやっていることがわか
りました。台湾は60名で、一人の費用負担額は5万4000円余でしたが、中国の場合は98名、
費用負担額は4万8000円だったそうで、朝日が指摘する「役得」旅行の規模は台湾よりも中
国の方が大きかったことが判明しました。

 さすがに朝日も公平性を装うためには中国に関しても報道しなければならず、1月16日付
で「高校の校長らの『役得』旅行は、台湾だけでなく、中国でも催されていたことがわかっ
た」として報道しています。

 朝日の記事は、台湾に関しては窓口となった台湾観光協会東京事務所のコメントを掲載
し、手厳しい書きぶりになっているにもかかわらず、中国に関してはどこが窓口なのかを
記さず、コメントも紹介していません。

 また、台湾に関しては教師たちの「モラルが問われそうだ」と書きつつも、暗に誘致し
た台湾側のモラルも問題視して非難しているのですが、中国に関しては一切「モラル」を
問わず、教師のコメントだけを掲載しています。

 このあたりに窓口に抗議がいかないようにして中国をかばおうとする朝日の思惑が読み
取れますが、「ブルータス、お前もか」と明らかに困惑した書きぶりになっています。

 果たせるかな、台湾政府の教育部(文部科学省に相当)は朝日の記事が出た直後に反発
し、早速、15日付で《朝日新聞「校長ら60人『役得』台湾旅行」報道に関する教育部のコ
メント》を発表しています。また、本誌にも中国政府の窓口を記した読者投稿がありまし
たので、いささか長くなりますが併せて掲載いたします。

 この件に関して、中国政府がコメントを発表しているかどうかは寡聞にして知りません
が、読者の方でご存じの方がいらっしゃれば教えてください。

 それにしても、朝日が命名したこの「役得旅行」が法に抵触するならいざ知らず、また
、修学旅行をテーマに国際交流のあり方を問うならよいのですが、居丈高に「モラル」だ
けを問う朝日新聞の姿勢はいただけない。朝日は「モラル」を問うほど品が良いのかとの
反発は免れまい。日本人読者の多くは朝日の「サンゴ事件」を未だに覚えているのです。

 さらに言えば、尊厳を忘れた、誘惑に甘い教師の質を問うなら、もっと別の書き方があ
ったはずで、要するに、台湾を貶めようとした朝日の底意が、中国によって露呈してしま
ったということのようです。
                     (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


中国へも校長ら100人「役得」旅行 修学旅行誘致
【1月16日付 朝日新聞】

 高校の校長らの「役得」旅行は、台湾だけでなく、中国でも催されていたことがわかっ
た。台湾とほぼ同時期に実施され、台湾を上回る約100人が蘇州と上海を3泊4日で訪問。
滞在費はすべて中国政府に負担してもらっていた。対象は教職員や生徒だったが、生徒に
募集をかけずに実子を同伴したり、元教師が参加したりしており、格安旅行への便乗ぶり
が改めて浮かび上がった。

 この中国旅行は、日中韓の観光担当大臣が昨夏に青少年交流の拡大を合意したことを踏
まえ、中国政府が修学旅行の誘致を主な目的に主催した。

 航空券を手配したJTBによると、参加費は往復渡航費の4万8000円だけで、現地ホテ
ル代、飲食費、交通費は中国政府が負担した。複数の旅行会社は、通常なら渡航費を含め
12万〜15万円と試算。参加者の一人は「修学旅行としては豪華すぎるコースだ」と話した。

 日本からは校長を含む教職員・生徒ら98人が参加。名簿によると、公立校は東京、神奈
川、千葉、大阪、兵庫、三重などの校名があり、30人程度だった。一行は昨年12月26日に
上海入りし、学校訪問やシンポジウムのほか、蘇州の観光地などを訪問した。

 中国側は10月に日本全国の約3000校に案内状を送付。参加対象を「教職員、生徒、父母
等」とし、生徒の参加が無理な場合は教職員の子も可としたが、中高生に限定していた。

 ところが、参加した教師4人は校内で募集することなく、実子を同伴。大学生を連れて
行った人もいた。子の同伴について教師は「案内が終業式直前に来たので募集できず、自
分の子を連れていった」などと説明した。校長に無断で生徒と一緒に参加した教師もいた。

 また、以前勤めていた私立高校名で参加した教員OBもいた。「旅行会社から誘われ、
旧知の校長に相談したら『うちの校名を使っていい』と言ってくれた」という。


朝日新聞「校長ら60人『役得』台湾旅行」報道に関する台湾教育部のコメント

 2003年より高校生を対象にした国際修学旅行を推進するため、台日両国は持ち回りで台
日教育旅行検討会を行っている。各回5日間の日程で、国際教育旅行シンポジウム、現地
高校訪問、修学旅行コースと修学旅行利用施設環境の下見などを行っている。これらの目
的は、高校生修学旅行をお互いの国家で進めることによって、学生の国際観を広げ、国際
化教育を増進させ、台日関係を促進することにある。

 今回の活動は4年目となり、双方平等互恵の原則の下、参加者は往復航空券を自費で負
担し、受け入れ国が国内における必要な食費、宿泊費、交通費を負担し、教育旅行シンポ
ジウムなどの行程を企画することになっている。これらの活動は単なる観光旅行ではなく
、国際教育交流活動であり、実施以来、台日双方の修学旅行は促進され、良好な成果をあ
げている。統計によると、2003年に台日両国の高校生の修学旅行は889人であったが、2006
年には7,666人に増えている。2002年〜2006年の4年間でわが国から10,073名の高校生が修
学旅行で日本を訪れ、日本からは8,149名の高校生が修学旅行で台湾を訪れており、台日修
学旅行の交流人数は18,222人に達している。

 教育部では2006年、交通部観光局東京事務所を通じて日本において修学旅行で良好な成
果を修めている学校の校長や教頭ら63名を募集し、2006年12月26日〜30日の日程で、台湾
にお越しいただき、わが国の高等学校校長ら60人余りと教育旅行シンポジウムを行った。
当活動は教育部と交通部観光局が台日平等互恵の原則の下、台湾にお越しいただく教育人
士の必要な費用を分担し、往復航空券は参加者各自でご負担いただいている。本年度のコ
ースは修学旅行座談会、花蓮高校、屏北高校を訪問したほか、淡水紅毛城、故宮博物院、
忠烈祠、国立伝統芸術センター、中正紀念堂、赤嵌楼など、修学旅行に関係する台湾歴史
文化とゆかりの深い場所の見学が含まれている。また、宿泊については良質かつ平価なホ
テルを選んでおり、決して報道にあるような「割高な高級ホテル」ではない。

                            【教育部 2007年1月15日】


【読者投稿】

編集者様
                                     一読者

 いつも貴重な記事を拝見させて頂き、感謝致しております。

 さて、御誌444号中の「台湾への修学旅行誘致を目的とした招待旅行」に関する朝日新聞
の記事に関して投稿です。

 この記事に書かれてあるちょうど同時期の昨年末(12月26日〜29日)、中国大陸でも同
様のシンポジウムと視察旅行が実施されました。

 日本の教育関係者約100名を招き、江蘇省・蘇州と上海市で実施した教育旅行シンポジウ
ムと視察会(学校視察と観光地視察)が行われ、その際の宿泊・食事(宴会を含む)・交
通(中国内での合同移動時)は、中國國家旅游局がそのすべてを負担。

 蘇州では、すべての合同移動時には、公安のパトカーが先導。蘇州での宿泊は、昨年秋
にオープンしたばかりの5つ星ホテル(韓国系超有名老舗ホテル)に全員一人一部屋利用(
希望者は除く)で宿泊。

 主催は中國國家旅游局、日本での窓口は中國國家旅游局・東京事務所。参加費用は一人
48,000円。参加対象は、教職員、及びそのご父母またはご子息(中学・高校生に限る)、
生徒。

 以上、ご参考までに。


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