――習近平少年の読書遍歴・・・“あの世代”を育てた書籍(習42)
62年出版(続き):
『現代応用数学叢書 網絡拓扑学』(上海科学技術出版社)/近藤一夫・小野寺力男『回路のトポロジー』の翻訳
『現代応用数学叢書 可圧縮流体理論』(上海科学技術出版社)/河村龍馬『圧縮性流体の理論』の翻訳
『現代応用数学叢書 特殊函数』(上海科学技術出版社)/小谷正雄・橋本英典『特殊函数』の翻訳
『数値積分及其応用』(科学出版社)/華羅庚・王元著/数学関連の工作者に加え、地理・鉱業・地質工作者にとっての参考書
『平穏時間序列的統計分析』(上海科学技術出版社)/アメリカのUlf GrenanderとMurray Rosenblattの『STATISTICAL ANALYSIS OF STATIONARY TIME SERIES』の翻訳。数学、力学、地球物理、無線物理、無線通信技術関連工作者の参考書
『計算技術及其応用』(科学出版社)/電子計算機のシステムと構造の原理(出力・入力・記憶・制御・演算装置)、情報記憶装置、ネットワーク理論の基礎、計算機の科学研究・実務への応用、計算機の小型化など電子計算機に関するソ連の最新研究を網羅した論文集の翻訳
63年出版:
『現代応用数学叢書 網路理論』(上海科学技術出版社)/喜安善市・大野克郎・池野信一『回路網理論』の翻訳
『半単純李群李代数表示論』(上海科学技術出版社)/厳志達著/分析学・微分幾何・トポロジー・量子力学のカギとなる Lie群とLie代数表示理論に関する研究書。1961~62年の南開大学における講義ノートに基づく。
『信息論入門』(科学普及出版社)/Henry Quastler『On Information Theory』の翻訳/「緒論」に拠れば、数学的知識を余り持たない者に向けた最新の信息論(On Information Theory)の解説を目指す。
『橢円型方程新解法』(上海科学技術出版社)/ソ連の複変数函数理論書の翻訳
『群論及其在核譜学中的応用』(上海科学技術出版社)/B.F.Baymanがコペンハーゲン理論物理研究所なでで行った量子力学・核理論に関する20回の連続講演を翻訳
『線性泛函分析』(科学出版社)/1958年秋に招請したポーランド科学院研究者の在中滞在時講義の翻訳。近年のポーランドにおける数学研究の成果も紹介。読者として数学研究者、大学の数学教師、数学を専攻する大学生を想定している。
64年出版:
『試験的分析与設計』(科学出版社)/H.B.Mannの『ANALYSIS AND DESUGN OF EXPERIMENTIS』の翻訳。数学系大学4年生ソ連の複変数函数理論書の翻訳
『概率論及其応用』(科学出版社)/米William Feller『AN INTRODUCTION PROBABILITY THEORY AND ITS APPLICATIONS』の翻訳。極めて身近な誕生日やサイコロ、エレベーターの乗降客などの実例から超高度な領域にまで分かり易く確率を論じている。興味深かったのが「贈券(coupon)」を実例に確率を説明する部分だ。おそらく当時の中国には、販売促進のためのクーポン券のような顧客向けのサービス制度は存在しなかった、いや考えつかなかった。そこで訳者は敢えて「贈券(coupon)」に「資本主義国家では、商品販売を促し利潤を追求するために商品を販売する際にクーポン券を添える。それが一定の方式で整ったなら、顧客は無料で景品を受け取れる」と注記しのだろう。《QED》