林慎平・林養魚場会長が台湾ハタ受け入れに名乗り

 中国は6月10日、昨年のパイナップル禁輸に続いて、使用禁止薬物成分が検出されたとして台湾からの高級魚「ハタ」の輸入を6月13日から停止すると発表しました。

 台湾のハタの年産量は約2万トンで、そのうち4割が輸出され、その9割に当たる約6,000トンを中国に輸出しているそうです。

 本誌でも黄文雄氏の「ハタ禁輸でまたもや中国の台湾いじめ」を転載し、中国側が主張する禁止薬物の「マラカイトグリーン(中国語名:孔雀石緑)」は「かつて中国産の養殖ウナギからたびたび検出された薬品です。自分たちが使いまくった禁止薬品を、台湾に当てはめているだけ」との見方をご紹介しました。

 今朝の産経新聞の1面は、福島県などで魚の養殖業を営む林養魚場(昭和10年創立)会長の林慎平(はやし・しんぺい)氏が「ハタは私が引き受けます。ご安心ください」と名乗りをあげ「ハタの輸入に向け本格的に準備を始めた」と報じています。すでに「台湾で今月、設立された日台交流団体『安倍晋三友の会』の陳唐山会長らの斡旋により、林さん側は?東県の業者と連絡を取り、値段や輸送ルートなどについて商談を始めている」そうです。

 中国の発表からまだ10日も経っていません。素晴らしい行動力です。

 この記事で紹介しているように、林慎平氏は「『日本李登輝友の会』の福島県支部長を務めたこともある大の親台湾派」です。理事もつとめていただきました。数年前、後継者を育てるために福島県支部長を郡山ダイヤオート代表取締役の野地純一(のじ・じゅんいち)氏に譲って理事も降りましたが、いまも賛助会員として日本李登輝友の会の活動をサポートし、息子さんも会員として本会活動の一翼を担っています。野地氏も2019年からは本会理事として活躍しています。

 このような心意気を示していただいた林慎平氏に心から敬意を表し、産経新聞の記事をご紹介します。

◆林養魚場 https://www.hayashitrout.com/

—————————————————————————————–台湾ハタ受け入れ 福島からの助け舟 中国禁輸…「民主主義の魚、応援」【産経新聞:2022年6月19日】https://www.sankei.com/article/20220618-J3MK2KB3WNNGZNGRS3HALMKRWY/?165504

 中国当局が今月10日、台湾産の高級魚「ハタ」の禁輸を突然発表した。ハタの産地である台湾南部の?東(へいとう)県や高雄市などで中国に輸出する予定だった数千トンのハタは行き先がなくなり、養殖業者たちは途方に暮れている。そんな中、日本の魚養殖業者らが「私たちが助けよう」と名乗り出て、ハタの輸入に向け本格的に準備を始めた。関係者は「ハタは和風にも洋風にもおいしく食べられる。日本の潜在的なマーケットは大きい」と話している。(?東県 矢板明夫、写真も)

 ハタの日本輸入に中心となって動いているのは魚養殖業者、林養魚場(福島県)の会長、林慎平さん。「日本李登輝友の会」の福島県支部長を務めたこともある大の親台湾派で、2011年の東日本大震災の後、台湾各界から福島県など被災地に多額の義援金が送られたことに対し「いつか恩返ししたい」と考えていたという。林さんの呼びかけに、複数の大手すしチェーンがハタの受け入れに興味を示しているという。

 台湾で今月、設立された日台交流団体「安倍晋三友の会」の陳唐山会長らの斡旋(あっせん)により、林さん側は?東県の業者と連絡を取り、値段や輸送ルートなどについて商談を始めている。東日本大震災後の風評被害で、一時、魚が全く売れなくなった苦い経験も持つ林さん。台湾側に「大切に育てた魚がこんな形で売れなくなってしまったみなさんの気持ちは痛いほどわかります。ハタは私が引き受けます。ご安心ください」とのメッセージを送った。

 林さんらはサンプルとして2〜3トンのハタを輸入し、外食業者などの間で試食し、料理法をアレンジする。その後、台湾に視察団を送り、ハタ養殖の状況などを確認して本格的に輸入を始める。林さんは「味だけではなく、中国に圧迫される台湾を支援したい日本人は今たくさんいる。『民主主義の魚』を食べ台湾を応援しようという流れになれば、大きな需要が生まれるのではないか」と言う。

 ?東県のハタ養殖業者、陳建翰さんは「大変ありがたく感激している。これを機にぜひ日本のみなさんにハタのおいしさを知ってほしい」と話している。

 中国の税関総署は台湾産ハタについて、禁止薬物の成分検出を理由に一時輸入停止を発表したが、台湾側は「事実無根」「国際慣例に反する」と猛反発している。中国は昨年も「害虫検出」などを理由に台湾産パイナップルを禁輸した。

──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: