昨日(9月4日)、台湾の林全・行政院長が記者会見を開き、辞任を発表した。報道によれば、3日に蔡英文総統に辞表を提出して同意を得、蔡総統は5日午前に記者会見を開いて行政院長の人事について説明するという。
後任には、頼清徳・南市長が有力視されている。下記に産経新聞の報道をご紹介したい。
—————————————————————————————–台湾・蔡英文政権の行政院長、頼清徳氏に交代へ 「ポスト蔡氏」の親日家【産経新聞:2017年9月4日】
【台北=田中靖人】台湾の林全行政院長(首相に相当)は4日、「現時点での任務を終えた」として辞表を提出したことを明らかにした。蔡英文総統は同意し、5日に後任を発表する。台湾メディアは、後任は台南市の頼清徳市長(57)だと報じている。
頼氏は与党、民主進歩党内で「ポスト蔡」の総統候補と目されており、支持率が低迷する蔡氏としては、人気の高い頼氏の起用で政権の建て直しを図る一方、2020年の再選に向けて足下を脅かしかねない頼氏を手元に置く狙いもある。
一方の頼氏は18年末に任期満了で台南市長を退任するため、今後の動向が注目されていた。行政院長就任が頼氏の将来の総統選出馬に向けて吉と出るか凶と出るかは不透明だ。
頼氏は内科医出身で、台南市選出の立法委員(国会議員)などを経て10年から同市長。16年2月の台湾南部地震による高層住宅倒壊では、ほぼ不眠不休で現場を指揮し注目を集めた。
親日家としても知られ、4月に日本統治時代の技師、八田與一像が損壊された際は直ちに修復を命じ内外の日本人から好評を得た。「台湾独立」を公言しているものの、6月には自身は「親中愛台」だと発言し物議を醸した。
一方、無党籍で学者出身の林氏の支持率は昨年5月の就任後の早い時期から下がり、今年8月には2割を切っていた。