〔国立民族学博物館ウェブサイトより。転載にあたり、原文の「北京語」を「中国語」に訂正するなどした。2014.3.18〕
みんぱく映画会
上映される機会の少ない文化人類学・民族学に関する貴重な映像資料などを、研究者の解説を交えて上映しています。
台湾映画鑑賞会
台湾映画はその質の高さと台湾社会を描き出す力に満ちあふれています。映画のもつメッセージをより深く理解していただけるような解説つきで、台湾映画鑑賞会を4回に渡って開催いたします。日本植民地時代から現代までの台湾社会の情況や歴史経験を、台湾映画のダイナミックで繊細な映像を通してお楽しみください。
開催日:2014年4月29日(火・祝)、5月6日(火・振休)、
6月8日(日)、6月14日(土)
場 所:国立民族学博物館 講堂
時 間:13:30開映(開場13:00)
定 員:450名
・入場整理券を10:00から講堂入口にて配布します。
事前申込は不要です。
参加料:無料
※ただし、展示観覧券(一般 420円)が必要です。
主 催:国立民族学博物館
共 催:台湾文化部「台湾文化光点計画(supported by Dr. Samuel Yin)」
協 力:台北駐日経済文化代表処・台北文化センター
福岡市総合図書館
中影服份有限公司、萬仁電影有限公司、
株式会社マクザム
台湾映画鑑賞会 映画から台湾を知る
日本統治時代の台湾の日常
『村と爆弾(原題:稲草人)』
1987年/中国語(日本語字幕)/97分
【開催日】2014年4月29日(火・祝)〈新展示関連〉
【監督】王童(ワン・トン)
第二次世界大戦のさなか、台湾南部のあまり豊かとはいえない村で、アメリカ軍が落とした不発弾を村人が見つけた。村人は駐在の巡査とともに不発弾を街にはこび報償を得ようともくろむが、海上への投棄を命じられる。そして、意外な結末がおとずれる。日本の植民地であった台湾もまた第二次世界大戦を経験した。内地とよばれた日本に住む人たちと同様に、台湾の人たちもまた空襲や敵軍の上陸に脅威と不安を感じる日々を過ごしたのである。戦争を経験した世代の割合が少なくなる今、台湾の人たちの戦争経験を考える。
二二八事件とその後の政治的弾圧とむきあった台湾の人びと
『超級大国民(原題:超級大國民)』
1995年/中国語、台湾語、日本語(日本語字幕)/120分
【開催日】2014年5月6日(火・振休)
【監督】萬仁(ワン・レン)
50年代の台湾。主人公はある読書会に参加したことを理由に逮捕され16年の刑を受ける。そして拷問によってリーダーの名前を漏らしてしまい、リーダーもまた逮捕され死刑となった。あがなうことのできない罪に苦しむ主人公ができるのは、亡きリーダーに謝罪の言葉を捧げることだけであった。1947年に発生した二二八事件とその後に政府が行った思想弾圧は台湾社会に暗い影を落とした。それは外省人と本省人との対立にとどまらず、隣人や友人、時には家族の絆までも奪い去ってしまった。台湾史の影を理解する。
経済成長にともなう台湾化の中の外省人の経験
『童年往事 時の流れ(原題:童年往事)』
1985年/中国語、客家語、台湾語(日本語字幕)/138分
【開催日】2014年6月8日(日)
【監督】侯孝賢(ホウ・シャオシエン)
外省人の家庭に生まれた主人公はものごころついたときは台湾にいた。大陸への帰還を切望する家族のなかで育ちながら、自分が台湾という異なるエスニシティをもつ社会の中にいる現実を感じとっていく。出身地がばらばらだった大陸からの移住者は、本省人というマジョリティに対して外省人というエスニシティを作っていった。そして、大陸で生まれ、台湾の権力主体となった第一世代とは歴史経験も価値観も異なる台湾生まれの世代が多数をしめるようになる。民主化が進むなかで変わっていく民族間関係を考える。
現代の台湾社会の温度を感じさせる世代間関係
『海角七号 君想う、国境の南(原題:海角七號)』
2008年/台湾語、中国語、日本語(日本語字幕)/130分
【開催日】2013年6月14日(土)
【監督】魏徳聖
抱いていた夢がかなわず、仕事にもあぶれ、都会での生活に終止符をうち故郷に帰り、祖父の郵便配達の仕事を手伝うことになった主人公。地元の寄せ集めのメンバーで作ったバンドの活動を通して、自分の大切にしてきた音楽をとりもどし、そして自分をとりもどしていく。経済成長が鈍化し現実化する台湾社会の格差問題。若者が味わっている閉塞感、世代間の価値観の違い、民族間関係、そして日本統治時代の記憶、台湾人の本音を通して今の台湾社会を感じる。
司会・解説
野林厚志(のばやしあつし)
国立民族学博物館教授。専門は台湾研究・民族考古学。博物館資料の調査や研究を通じて、台湾原住民族工芸の歴史や現在の状況に関心を抱く。
関連イベント
公開シンポジウム「伝統と創意 台湾における原住民族工芸」
2014年3月30日(日)13:20〜16:45(開場13:00)
場所:講堂
参加無料 定員450名 先着順
■お問い合せ先
国立民族学博物館 広報企画室企画連携係
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
Tel: 06-6878-8210(土日祝を除く9:00〜17:00)
転載者:『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html