【産経】「尖閣打破」発言 中国の横暴を座視するな
2012年3月23日産経新聞
◎人民日報が尖閣諸島に関し、挑発的な報道を行うようになったのは、今年に入ってからだ。
日本が尖閣周辺の離島などの命名作業を進めていることに対し、1月17日付で「公然と中国の核心的利益を損なう振る舞いだ」と非難した。「核心的利益」は中国が台湾やチベットなどに用いる言葉で、「安全保障上、譲れない国家利益」を意味する。
今月16日には、中国監視船「海監50」が尖閣周辺の領海を侵犯した後、東シナ海のガス田海域に向かい、同行した「海監66」とともに、ガス田「白樺」付近で他の調査船4隻と合同訓練を行った。これも人民日報は紹介した。
人民日報は自由な言論が認められた欧米や日本のメディアと異なり、一党独裁政権下の機関紙である。中国外務省自体は「核心的利益」という言葉を使っていないが、中国政府や軍の意向が反映されているとみるべきだ。◎
◎これに対し、日本は尖閣周辺を海上保安庁の巡視船が巡回し、海上自衛隊の哨戒機「P3C」が空から監視しているだけだ。警戒態勢をさらに増強すべきだ。
海上警察権を強化するための改正海上保安庁法などを早く成立させ、領海侵犯した中国監視船など公船を排除するための法整備に取りかかる必要がある。尖閣諸島での漁業中継基地建設や自衛隊常駐などの有人化対策も急がれる。
中国の横暴な活動をこれ以上、座視することは許されない。◎