本会会員の松田和也さんから寄せられた「しゃべる地球儀」を扱っているのは、東
京・中央区日本橋室町にある「地球儀専門店」。百聞は一見にしかず、早速、行って
みた。
この「しゃべる地球儀」は、やはりリープフロッグというアメリカの教育機材メー
カーが製造している「オデッセイグローブ」という名称の地球儀だ。だが、よく見た
ら、何と発売元はあの学研トイズではないか!! これには驚いた。しかし、胸がワ
クワクしてきた。
地球儀上の表記はすべて英語だ。中華人民共和国は少し深いオレンジ色で「CHI
NA」と表記されている。では、台湾はと見ると「Taiwan」と表記されている。
「Taiwan Island」ではないので「アレッ」と思ったが、色分けはやは
り同じオレンジ色だし、国名が大文字ではなく小文字なのも気になる。
そこで日本語バージョンであることを確かめて、店員さんが見ているので、タッチ
ペンでまず日本にタッチしてみた。これは問題のあろうはずがない。次に中国をタッ
チしてみる。「中華人民共和国」としゃべる。声は男の声だ。そこでおもむろに台湾
をタッチしてみた。「台湾 中華人民共和国」としゃべった!
実際にしゃべるのを聞くと、正直嬉しいものだ。宝の山を見つけたような気分だ。
そこで、店員さんにいつごろ、どこで生産したものかと確認すると、2004年ころ、イ
ンドネシアで生産したという。
この「地球儀専門店」のホームページを見ると、この日本語と英語でしゃべる「オ
デッセイグローブ」の紹介に、わざわざ下記のような但書きがある。
「不適切な表現」が発見され販売中止・商品回収になった「中国製スマートグロー
ブ」は当商品とは全く関係がありません。
当社では「中国製スマートグローブ」及び「中国製トーキンググローブ」は当初よ
り一切販売しておりません。
当社で販売している「オデッセイグロ−ブ」はアメリカの教育機器メーカー「リー
プフロッグ」の商品ですので安心してご使用できます。
この「地球儀専門店」とやら、どうやら学研地球儀問題で何が問題とされたのかを
よく理解していないようだ。確かに台湾を中国領としたり、尖閣諸島まで中国領にす
るなどの中国製地球儀を日本で販売するのはよくないが、アメリカ製がよくて中国製
が悪いなどとは、これまで誰も指摘していないし、問題にもなっていない。
台湾は中華人民共和国の領土ではないのに、中華人民共和国の領土とされているこ
とが問題なのだ。それは日本政府の見解からも間違っている。
だから、この「地球儀専門店」が販売している「オデッセイグロ−ブ」という地球
儀が、台湾を中華人民共和国と取り扱っていることが問題なのだ。中国製の学研トイ
ズやタカラトミーと同罪なのだ。
地球儀は日本で使う教材なのである。これでは子供たちも「安心して」使うことは
できない。即刻、販売中止にするか、表記や表現を改めるべきだろう。
それにしても、この「地球儀専門店」ホームページの「地球儀についてのよくある
質問Q&A」を見ると、「国名数や国旗を知りたいです。各国の人口や広さも知りた
いです」という質問に対して、「外務省発行『世界の国の一覧表』を元に表示してい
ます。詳しくは外務省ホームページをご覧下さい」と答えている。
中学校の地図帳問題のときも、帝国書院も東京書籍も外務省が監修している『世界
の国の一覧表』に拠っていると返答している。地球儀問題、地図問題、地理教育、外
国人登録証問題などの問題の根本は、やはり外務省にあることは疑いない。
(編集部)
■地球儀専門店
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目12番10号 第2山田ビル1階
TEL(03)3272-0186 FAX (03) 3272-0187
営業時間 10AM〜6PM
日曜祝日 10AM〜5PM
定休日 水曜日
http://www.globe-shop.net/new_globe/odyssey/odyssey.htm