【2005年12月27日 産経新聞「談話室」】
台湾人と結婚した私のもとに、東京都杉並区から「中華人民共和国 山田智美様」と
いうあて名で一通の通知書が送られてきた。今年7月に区内にあった住民票を取り消した
ので、それまで給付されていた児童手当が消滅したとの知らせである。
住民票を取り消す際、申請用紙の理由欄には「台湾に住んでいるため」と書いたが、
中国とは書いていない。同じく杉並区内の戸籍にも、夫が「中国人」と記述されている。
そこで、杉並区長あてに、「台湾と中国は全く別の国なので、中華人民共和国を台湾
に、中国人を台湾人に訂正してください」と陳情書を送付した。
まもなく杉並区から返事が届いた。あて名は「中華人民共和国」から「中国(台湾)」
になっていた。
文中の説明によると、台湾は中国、中華人民共和国の扱いなのだという。
しかし、住民基本台帳事務を管轄する東京都に確認したところ、「中国(台湾)」と
の表示をしてもよいと見解が示されたので「修正した」ということだ。なお、国名の記
載方法は「外務省が作成した国名の正式名称」によるといい、戸籍簿への記載は、「法
務省の通達に基づき、中国本土、台湾を区別することなく国名の表示を『中国』とする
取り扱いになっている」という。
台湾と国交がない米国、英国、フランス、カナダ、シンガポールなどでは台湾人の国
籍を「TAIWAN」と表記している。韓国もハングル表記で「タイワン」である。日
本政府は誤った記述を早急に是正してほしい。(台湾在住)