米国の移民申請で台湾の国籍表記を単独の「台湾」に改正

日本の外登証や住民票の表記も見習いたいアメリカの勇断

 台湾出身者がアメリカで移民申請をする際、「元の国籍」を「台湾」と記入すること
が初めて認められたことを、昨日配信された「Record China」が中央社の記事を引用し
て伝えている。

 本誌でも何度か伝えたように、東京都は去る5月30日付にて、台湾からの転入・台湾
への転出の際、住民基本台帳(住民票)に「台湾」の表記を認める通知を都内の全区市
町村に出した。都道府県が公文書で「台湾」表記を認めるのは初めてのこと。

 東京都の通知は、平成12年の地方分権一括法の施行によって住民基本台帳業務が区市
町村に移行したため、国名表記について区市町村が独自で判断できるようになっている
ことを背景に、中国か台湾かの表記は「区市町村長の判断として、差し支えない」、つ
まり、表記は区市村長の判断に委ねるという通知内容だ。

 その点で、確かに現状を反映した通知ではあるものの、台湾が中国の領土でないこと
はサンフランシスコ平和条約や日中共同声明からも明らかなことで、「中国か台湾か」
ではなく、「台湾」とだけ表記するよう求める内容であれば満点の通知だった。

 アメリカの移民申請は「今後は反対に『中華人民共和国』『台湾、中国』『台湾、中
華民国』などの書き方は一切認められない」というのだから、まさに画期的と言ってよ
い。

 日本の外登証や住民票でも見習いたいアメリカの勇断だ。       (編集部)


移民申請、「元の国籍」は「台湾」でOK―米国
【9月11日 Record China】

 2008年9月9日、台湾「中央社」の報道によると、台湾出身者が米国で移民申請をする
際、「元の国籍」を「台湾」と記入することが初めて認められた。これまでは、「中華
人民共和国」や「台湾、中国」と書くことが義務付けられていたという。環球時報が伝
えた。

 在米の台湾独立派団体「台湾人公共事務会(FAPA)」が9日に発表した文書によると、
台湾出身者が米国への移民を申請する際、これまでは「元の国籍」や「出生地」の欄に
「中華人民共和国」や「台湾、中国」と書くことが義務付けられ、単独で「台湾」とい
う書き方は一切禁止されてきた。

 ところが、これに不満を持ったFAPAが米議会に抗議したところ、最近になって単独で
「台湾」と書く方が正しいと認められた。今後は反対に「中華人民共和国」「台湾、中
国」「台湾、中華民国」などの書き方は一切認められないという。(翻訳・編集/NN)



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