【12月15日 台湾週報】
http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=74941&ctNode=3522&mp=202
国際的に活躍する台湾の芸術家5人の作品を日本で紹介する「第3回台湾美術−現代の
旗手五人展」が東京大崎のO美術館で開催され、12月12日にオープニングセレモニーが催
され、羅坤燦・台北駐日経済文化代表処副代表、畠中篤・交流協会理事長らが出席し、祝
辞を述べた。
同展は今回、国立台湾美術館の協力を得て、多元的な台湾芸術を紹介することに力点が
置かれ、黄朝湖の水墨画、袁旃の膠彩画、曲徳義の油彩画、楊明迭の版画、曾御欽のビデ
オ作品など、5人の芸術家によるそれぞれ異なる作品を通して、台湾の現代芸術の発展が
展示されている。
陳済民・国立台湾美術館副館長は、5人の作家について、黄朝湖−1960年代に台湾現代
絵画運動を担った旗手であり、独特で抽象的な水墨のタッチで、台湾における水墨画の現
代化の道を拓き、さらには彩墨芸術の発展を後押しした。袁旃−台湾の膠彩画芸術の中で、
伝統から出発して、さらに伝統から脱却する斬新な表現で、膠彩画の領域に現代的な精神
を加えた新たな道を切り開こうとしている。曲徳義−幾何学的な抽象構成の代表的芸術家
であり、その独特な形式と色彩で、台湾の抽象芸術をさらに豊かに発展させた。楊明迭−
版画、インスタレーションは、ガラスや金属などの異なる素材を用いて表現し、版画芸術
の新たな発展の形を切り開いた。曾御欽−近年、台湾の新世代の映像芸術創作者として国
際的に注目されており、その作品には自身を表現する独特な風格があり、今回の展示作品
はドイツでも出展された──―とそれぞれ紹介した。
出展者の黄朝湖氏は、「私が40年前に日本で出展したときは、最年少と言われ、40年後
の今回は最年長となった。(地元の)台中市長が『市長には任期があるが、芸術家はない』
と言ったように、年をとるごとに作品の値打ちが上がるようになっていた」と語った。
美術評論家の瀬木慎一氏は、「今回の五人展は重要な意味を持つ。今回のコンテンポラ
リー・アート作品はまさにそれぞれが台湾のカルチャーを表現している」と評価した。そ
のうえで、瀬木氏は「私たち(日本人)は台湾のコンテンポラリー・アートを知らなさす
ぎるようだ」と指摘し、世界のコンテンポラリー・アートのマーケットでは、台湾が米国、
英国、中国、フランスに次いで第5位に入り、台湾のコンテンポラリー・アートが世界レ
ベルで注目されていることを強調した。
同展は2006年以来、東京都内で毎年行われているもので、第3回目となる今年は、12月
12日(金)〜12月17日(水)まで「O美術館」(JR山手線大崎駅前・大崎ニューシティ
ー2号館2F)で開催される。
第3回台湾美術 現代の旗手5人展
■会 期 2008年12月12日〜17日(6日間)
AM10:10〜PM6:30(初日16:00より、最終日15:00まで)
■会 場 O美術館
品川区大崎16-2 大崎ニューシティー2号館2F TEL:03-3495-4040
【交通】山手線大崎駅(東口)下車 徒歩1分
東急バス(大井町駅−渋谷駅)大崎駅下車 徒歩1分
http://www.shinagawa-culture.or.jp/o_art/top/index2.html
■主 催 台湾・外交部(外務省)、行政院文化建設委員会(文化庁)、台湾美術現代の
旗手5人展実行委員会
■共 催 台北駐日経済文化代表処、国立台湾美術館
■後 援 財団法人交流協会、台湾観光協会東京事務所、株式会社ユーキャン、自由時
報、中華航空公司
■出展作品数=33点
水墨画10点、膠彩画5点、油彩画(アクリル)7点、版画とインスタレーション7点、ビ
デオ作品 4点
■見どころ:
国立台湾美術館が選抜した国際的に活躍する5人の作品33点を展覧し、「伝統と現代」
「東洋と西洋」という対立するヴェクトルの相克のなかで如何にして亜熱帯風土に培わ
れた台湾独自のアートが形成されていったのか、作品をとおして読み取っていこうとす
るものです。特に今回、最年少でドクメンタに参加し「台湾の星」と呼ばれる若手ビデ
オ作家、曾御欽も出展しており、台湾美術の現在の状況を包括的に展覧できる構成にな
っています。
■出展作家:
黄 朝湖(水墨画)
袁 旃(膠彩画)
曲 徳義(油彩画/アクリル)
楊 明迭(版画インスタレーション)
曾 御欽(ビデオ)
■実行委員会:
瀬木 慎一(美術評論家)
金澤 毅(美術評論家)
森野 真弓(多摩美術大学教授)
味岡 義人(渋谷区立松濤美術館学芸係長)
園山 晴巳(版画家)
森 美根子(台湾美術研究家)
黄[女冊][女冊](東大大学院博士課程)