(すおうちん)と姉妹提携した。
石垣市と蘇澳鎮(鎮は日本の町に相当)は、古い時代から双方の漁民の往来が頻繁に行
われ、また、終戦時には戦時中に台湾に疎開していた八重山の人々が蘇澳港から引き揚げ
る際に、蘇澳住民の世話になったという深いつながりがある。
さらに、台湾との交流は戦後、石垣市の嵩田地区を中心に集団移住がなされ、パインア
ップルの種苗と水牛の導入が図られ、市の基幹産業の振興に大きく寄与した。
石垣市の青年会議所は1980年代初頭から蘇澳鎮青年商会との人的、文化的交流を重ね、
市民レベルの交流も行われてきた。1990年代からは行政レベルでの交流も始まり、地理
的、気候的、風土、産業等の類似点も多いことから、1995年9月にチャーター便による国際
線にて蘇澳鎮を訪問、姉妹都市締結盟約書に調印した。
昨日、石垣市の中山義隆市長や八重山漁協の上原亀一組合長らが訪問団を組んで、姉妹
都市提携する蘇澳鎮を訪問、漁業が絡んだトラブルをなくしていくため、地域同士の交流
を深めていくことを互いに確認したという。NHKが動画で中山市長の発言を紹介しつ
つ、そのニュースを配信しているので紹介したい。
ちなみに、蘇澳鎮は台湾東北部、宜蘭懸陽平原の南端にあり、総人口5万人余。大部分は
農業が主であるが、漁業が盛んな土地としても知られ、蘇澳港は台湾3大漁港の一つ。
このような日台の姉妹都市の結びつきが懸案の漁業協議に反映されることを期待したい。
石垣市長ら台湾訪問し交流を確認
【NHKニュース:2012年11月13日】
動画:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121113/k10013463811000.html
日本政府による尖閣諸島の国有化に抗議してことし9月に尖閣諸島沖の日本の領海に侵入
した台湾の漁船団の地元を、13日、沖縄県石垣市の市長らが訪問し、漁業が絡んだトラブ
ルをなくしていくため、地域どうしの交流を深めていくことを互いに確認しました。
石垣市の中山義隆市長ら訪問団は、台湾北東部にある宜蘭県蘇澳鎮を13日訪れ、行政機
関や漁協のトップらと会談しました。
蘇澳鎮の漁協に所属する漁船団は、ことし9月に、日本政府による尖閣諸島の国有化に抗
議して魚釣島沖の日本の領海に侵入するなど、強硬な姿勢をとった一方で、石垣市と蘇澳
鎮は、17年前に姉妹都市提携を結んで以来、交流を深めてきました。
中山市長は会談の中で、「さまざまな課題も、地域の間では一つ一つ解決していけると
信じている」と呼びかけました。
これに対し、蘇澳鎮のトップ林騰煌氏は、「尖閣諸島周辺での漁業の問題をお互いが話
し合うことにより、双方にとってプラスになる道を見い出していきたい」と応じ、漁業が
絡んだトラブルをなくしていくため、地域どうしの交流を深めていくことを互いに確認し
ました。
日本と台湾の間では、尖閣諸島の周辺海域を対象にした漁業交渉が16年前から行われて
きましたが、ここ3年半以上、中断した状態が続いています。
会談には、石垣市の八重山漁協の上原亀一組合長も出席し、「当事者である漁業者の間
で意見を交換し、トラブルがなくなるような漁業協定が締結されるよう環境づくりを進め
ていきたい」と述べ、地域間の交流による事態の進展に期待を示しました。