事)では、熊本県国際協会(会長は知事)が8月4日から災害義捐金の募集を始め18日まで受け付け
た。
21日、蒲島知事一行は高雄市を訪れ、県民や県内企業から寄せられた義捐金(目録)を陳菊市長
に贈ったという。地元のテレビ熊本などが伝えているが、本誌では中央通信社の記事をご紹介した
い。
これまで中国・上海に事務所まで置いて中国との交流を熱心に進めてきた熊本県だが、中国が尖
閣問題で先鋭的になりはじめたころから上海事務所では閑古鳥が鳴き、いまは台湾との交流に切り
替えている。
熊本県の台湾との交流は、大津高校が3年前の2011年12月に県立高校として初めて台湾修学旅行
を実施したことに端を発していると言って過言ではない。それが陳菊・高雄市長の熊本訪問ともあ
いまって熊本県が台湾に振り向くきっかけをつくり、昨年9月の「国際交流促進覚書」に結実して
いる。
県立高校の修学旅行を担当する熊本県教育委員会は今年も8月17日から3泊4日で、来年度以降に
台湾への修学旅行を検討している県立高校関係者による視察旅行団を派遣している。来年は5つの
県立高校が台湾修学旅行を実施する予定だという。
熊本県が爆発事故被災地復旧で高雄市に義援金/台湾
【中央通信社:2014年8月22日】
(高雄 22日 中央社)蒲島郁夫熊本県知事、重村栄同県議会副議長の一行が21日午前、陳菊・高
雄市長のもとを訪れ、今月1日に同市で発生した爆発事故の被災地復旧に役立ててほしいとして県
で集まった義援金808万円を贈った。
陳市長はこれに対し、熊本県、県議会および県民に心から感謝の意を表すとした。また、爆発事
故発生当時、日台交流活動で高雄を訪れていた「熊本青少年訪問団」参加者の1人、小学5年生の石
橋梨菜さんが持っていた旅費の半額を寄付に当てた話について触れ、高雄に対するその熱い思いに
応えるため、地元メディアの報道の切り抜きと共に「高雄人」と印字されたカバンを石橋さんに渡
してほしいとして蒲島知事に手渡した。
蒲島知事はこの1年半の間に高雄を4度訪れたが、双方の関係は大変緊密なものとなっており、東
日本大震災や熊本の水害の時には高雄から多くの支援があり、高雄ガス爆発事故後は熊本で義援金
が次々に集まり、今回お見舞いに訪れることになったと述べた。
さらに、陳市長はこの10月に高雄−熊本間に開設されるチャイナエアライン(中華航空)の直行
便が双方の交流強化に一役買うだろうと述べた。高雄市と熊本県・熊本市は2013年9月に国際交流
覚書に調印しており、経済・観光・教育の各分野で交流が進んでおり、今後の医療分野での交流に
も関心が集まっている。蒲島知事もこれについて、新しく就航する定期チャーター便が将来は定期
路線にグレードアップして交流が一層深まればと期待を示した。
(編集:谷口一康)