【祝】 郡山市と同市教委と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結

本誌1月21日号でお伝えしたように、台湾と「姉妹校」などの学校提携は、181件の友好交流都市協定などの都市間提携よりもはるかに多く、文部科学省が2025年3月に公表した2023年度に台湾と姉妹校提携を結んでいる高校だけで308校に及び、2014年度の118校の2.6倍にもなっています。

台湾は、オーストラリアの423校、アメリカの316校に次いで3番目に多い提携数です。

1月30日、福島県郡山市と同市教育委員会と台北市教育局の三者は郡山市役所において「教育交流に関する覚書」を締結しました。

郡山市からは椎根健雄・市長と早崎保夫・同市教育長、台北市政府教育局からは●進權・副局長が臨んだそうです。

(●=登におおざと)

今後は国際的な視野を持ち、積極的に未来の発展を担う人材を共に育てるため「青少年の国際交流」及び「学校間交流の促進」を進めていくそうです。

下記に紹介する地元紙の福島民報も触れていますが、台北市教育局はこれまで東京都教育委員会や青森県教育委員会など日本の7都県の教育委員会と「教育交流に関する覚書」などを結んでいますが、教育委員会に日本の市町村を交えて提携するのは初めてです。

下記に、これまで結ばれてきた日台の教育提携と福島民報の論説をご紹介します。

◆日本と台湾の教育提携(日本李登輝友の会調べ)

1)2014年05月22日 広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結。

(現、桃園市) 2)2015年09月07日 徳島県教育委員会と新竹市教育処が「教育交流協定」を締結。

3)2016年12月19日 東京都教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。

4)2016年12月20日 東京都教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。

5)2018年09月13日 長野県教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。

6)2021年08月31日 青森県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。

7)2024年01月17日 大分県教育委員会と台北市教育局が「教育覚書」を締結。

8)2024年03月29日 宮城県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。

9)2024年09月10日 河口湖南中学校組合教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。

10)2024年11月05日 愛媛県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力覚書」を締結。

11)2025年02月21日 大分県教育委員会と新北市教育局が「教育覚書」を締結。

12)2025年03月18日 長野県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。

13)2025年03月19日 長野県教育委員会と新北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。

14)2025年08月04日 八王子市教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力についての覚書」を締結。

15)2025年11月13日 熊本県教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。

16)2026年01月30日 福島県郡山市と同市教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。


郡山台湾教育覚書 さらなる交流の絆に【福島民報:2026年2月2日)https://www.minpo.jp/news/moredetail/20260202130147

郡山市と台湾の台北市政府教育局が、国際的人材の育成に向けた「教育交流に関する覚書」を締結した意義は大きい。

台北市が同種の覚書を日本の市町村と結ぶのは初めてだという。

台湾は東日本大震災の際に、総額200億円を超える義援金をはじめ物心両面で被災地を支援してくれた。

教育分野で子どもたちの草の根交流が芽生えればやがて大きな実を結ぶ。

郡山市にとどまらず双方の絆の輪がさらに広がるよう望む。

覚書締結で、郡山市は台北市内教育機関からの教育・研修旅行の増加やオンライン教育交流の拡大につなげるとした。

さらに、産業・文化・スポーツ分野との連携で観光誘客の促進、地域経済の活性化も図るという。

本県と台湾の交流が本格化したのは、1993(平成5)年の福島空港の開港が大きい。

1998年に台湾路線が運航して一挙に距離が縮まった。

2024(令和6)年の県内外国人宿泊者約29万人のうち台湾からの宿泊者は15万4510人で半数を超えている。

本県と台湾を結ぶのは、明治30年代に台湾総督府民政長官を務めた後藤新平だ。

後に関東大震災からの首都復興なども担った後藤は福島医大の前身とされる須賀川医学校を卒業した。

同校で医学を学んだことが科学的・現実的な政治を行う原点となったとされる。

台湾に医療、教育、鉄道、港湾、上下水道などを整備し、新渡戸稲造を招いて経済の基礎を築くなどした。

今回の衆院選で日本と台湾の関係があらためて注目されている。

高市早苗首相の「台湾関連」発言が解散要因の一つとの見方もある。

日本政府は1972(昭和47)年の「日中共同声明」に基づき、中華人民共和国を唯一の政府と認めている。

ただし「台湾は中国の一部である」という主張に対しては「理解し、尊重する」という表現にとどめた立場を取る。

非常に繊細な外交バランスの上で成り立った関係といえる。

衆院選では「外交・安全」も大きな争点の一つだ。

台湾有事問題も避けて通れない。

ただ、今回の覚書締結のように、市民レベルで着実に交流の輪は積み上げられている。

関係する子どもたちが笑って交流できるように何ができるかを考えながら一票を投じるのも大切だ。

(関根英樹)。

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