――習近平少年の読書遍歴・・・“あの世代”を育てた書籍(習189)
以下、先生に課せられた教室での教育内容の典型例を、「(3)政治教育」に見ておくと、
先ず生徒には「領袖」「毛主席」「毛沢東思想」「共産党」「大救星」「共産主義」「国際主義」「階級」「階級闘争」「無産階級」「無産階級専政」「革命」「継続革命」「文化大革命」「闘私批修(「私」と闘い修正主義を批判)」「批修整風」「中国」「国旗」「総路線」「社会帝国主義」「保衛祖国」「認識」「団結」などの単語が指し示す概念について徹底して教え込んだ後、次のように呼び掛けながら、政治教育を進める。
3-1:「断固として階級闘争を忘れてはなりません」
3-2:「我われを導く核心的な力は共産党なんです」
3-3:「我われの思想を導く理論的な基礎はマルクス・レーニン主義です」
3-4:「毛主席の革命路線は我が党の生命線です」
3-5:「正確な政治的視点がないことは、とりもなおさず魂がないということなんです」
3-6:「東の空が赤くなって太陽が昇ります。毛主席は中国人民の大きな大きな、とっても大きな救いの星です」
3-7:「我国はプロレタリア階級が独裁する社会主義国家です」
3-8:「中国人民解放軍はプロレタリア階級独裁のための堅固な基盤です」
3-9:「帝国主義と全ての反動派は全て張子の虎です」
3-10:「劉少奇とその仲間達がデッチあげてばら撒く『天才論』を完膚なきまでに批判しましょう」
3-11:「革命ために社会主義文化課程をしっかりマスターし、全身全霊で人民に服務しましょう」
3-12:「さあ団結して、さらに大きな勝利を勝ち取りましょう」
「(4)規律教育編」では次のように声を掛け生徒を導くように、とある。
4-1:「規律性を高めないと、革命は勝利できません」
4-2:「規律こそ路線を正しく執行するための基盤なんです」
4-4:「皆さんは、お話を聞くのは好きですか。これから先生が解放軍のおじさんにお願いし、革命の規律をしっかりと守った物語をお話して戴きましょう」
最後の「(10)其他」では、こう呼び掛けるようにと指示されている。
10-1:「勉強を主に他も学習しなければなりません。教室での勉強ばかりでなく、労働、農業、軍事を学習し、資本階級を批判しましょう」
10-2:「李小平クンは放課後、人民公社の生産隊のお手伝いで野糞を拾い集めました。こういった行いは素晴らしいことなので、皆さんは手本としましょう」
10-3:「明日午後、生徒全員で人民公社に麦の収穫を手伝いに行きますが、2年生は第二生産大隊で落穂拾いを致します」
10-4:「いいですか、体を鍛えて祖国を守るんですよ」
10-5:「今日午後、学校で『国際歌(インターナショナル)』の練習を行いますから、予定通りに集まって歌の練習をしましょう」
10-6:「皆さんは労働を通じて『一不怕苦、二不怕死(死にもの狂いでやりぬくぞ)』の気高い革命精神を身につけるのです」
――こうみると、文革時代、教室で普通話学習の授業を通じて教師に煽られた児童生徒が紅小兵と呼ばれる怖いもの知らずの「超革命戦士」に改造され、街頭に飛び出していったことが判る。半世紀ほどが過ぎた現在、習近平周辺で第3期習政権の中核を構成している面々も、かつては幼い革命戦士だったはず。やはり三つ子の魂百までも・・・だろうか。《QED》