【更新版】国民党の終わりの始まり 中国の代理人・連家崩壊へ
台湾の声ニュース 2014.11.29 23:00
本日投開票が行われた台湾の「九合一」統一地方選挙では、民進党が狙っていた台北市長・台中市長を獲得したのみならず、難しいと見られていた桃園市長を獲って、中央直轄市6市長のうち5市長を手に入れ、大勝した。他方、国民党は「壊滅的」敗北を喫したと報じられている。国民党は、朱立倫が新北市長(現職)をかろうじて守った。なお、台北市長に当選したのは無所属で民進党の支援を得た柯文哲(か・ぶんてつ)氏。
中央直轄市以外では、国民党市県政であった、基隆市、新竹市、彰化県、嘉義市、澎湖県、金門県でも民進党もしくは非国民党首長を誕生させた。
台湾の民意は、馬英九政権の能力と台湾の民主主義を踏みにじってまでの中国傾斜、および、国民党政権下におけるさまざまな腐敗にノーを突きつけた。首相に当たる行政院長・江宜樺は辞任を表明した。国民党は馬政権のレイムダッグ化が一層深まり、党内部の権力闘争が激化するものと見られる。また難しい選挙を戦ってポストを守った朱立倫の国民党内での影響力が大きくなるだろう。
しかし、高雄市のガス爆発事故に対する中央政府の冷たい対応からも分かるように、中央が国民党で地方が民進党ないし台湾派である場合には、国民党に足を引っ張られるケースもある。民進党をはじめとする台湾派勢力は、2016年の総統選挙に向け、地方の運営を注意深く行うことが必要である。
選挙の結果が出たころ、フェースブックでは「スカッとした」という呟きがあちこちから聞こえてきた。馬英九政権下での台湾人の閉塞感がいかに大きかったか窺わせる現象だ。
なお、地方議員選挙の部分では、無所属や小さな政党から出た太陽花世代が、議席を獲得するに至らなかったようだ。
ヒマワリ学生運動は社会に大きな驚きを与え、国民党の問題点を世間に晒し、今回の台湾派の勝利に大きく貢献してはいる。しかし、ヒマワリ世代が地方議員に当選できなかったことは、2016に総統選挙と同時に行われる立法委員選挙への参加を目指していたヒマワリ世代にとっては、戦略の見直しを求められることになろう。