台湾地方統一選挙について

台湾地方統一選挙について

「台湾の声」編集長 林 建良

11月26日に行われた台湾統一地方選挙。
結論から言うと与党民進党の大敗。
蔡英文政権の支持率は50%を超えていて、
経済も好調。

本来勝てる環境が整っているのに、なぜ与党民進党は大敗したのか。

1.トップダウン人選に対する党内の反発

本来民進党は予備選挙を得てから公認するのだが、今回の人生は実質的に蔡英文総統に一任。
蔡英文は外交と国防の分野ではとても素晴らしいリーダーシップを発揮しているが、
党内の権力分配と地方勢力の権力分配に全く無関心。
それにより民進党は一致団結していない。
民進党内にもおごりと慢心があった。

2.政策論争よりもネガティブキャンペーン

今回の選挙は国民党も民進党もほぼネガティブキャンペーン。
民進党の一番の支持者は台湾の若者。
今回の選挙、若者はほぼ動かなかった。
2020年の総統選挙のように、自分の出身地に戻って投票する動きもなかった。
それは若者がネガティブキャンペーンに嫌気をさしていると同時に、
今回は若者にとってはとても魅力のない選挙であった。

今回の選挙結果、

大きく勝利した国民党は勢いがつく。
外国から見ると親中派が台湾派に勝ったという見方をされる。

今回の選挙後の動きはどうなるか。

1.蔡英文の影響力が低下。
蔡英文の内政面でのレームダック化。ポスト蔡英文が今日からスタート。
蔡英文が民進党党主席を辞任する可能性も。

2.頼清徳が2024年民進党の総統選挙候補になる確率が上がった。
蔡英文は党内での影響力低下により、意中にしていた候補陳建仁と鄭文燦が選ばれる可能性が下がった。

今回の選挙で民進党は一時的に混乱する。
そして国民党は勢いづく。
国民党は勢いがあるうちに24年の総統選挙に臨んでくる。
民進党は内部闘争をする余裕がなく一致団結する可能性が高い。

民進党の今回の大敗は決して悪い結果ではない。
反省をきちんとしているのであれば。


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