【NEWS】宗像隆幸と彭明敏の書簡、銀行の貸金庫に50年間厳重に保管された記録初公開

宗像隆幸と彭明敏の書簡、銀行の貸金庫に50年間厳重に保管された記録初公開

中央通訊社 2024/1/20 18:14(1/21 06:51 更新)より
台湾の声編集部訳

[写真(未転載)]2024年1月20日、台湾国史館は、『廖文毅事件史料彙編』、『史明関連事件史料彙編』、および『宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集』の新刊発表と座談会を開催した。

総統府の林佳龍秘書長(右2)、故宗像隆幸氏の未亡人である宗像瑞江氏(左2)、国史館館長の陳儀深氏(右)、人権館館長の洪世芳氏(左)が出席し、書籍寄贈式が行われた。

中央社・郭日暁記者2024年1月20日撮影。

(中央社記者 温貴香
台北20日電)かつて台湾から彭明敏を救出するために協力した「X計画」の鍵となる人物である宗像隆幸氏は3年前に亡くなったが、その未亡人・宗像瑞江氏は、銀行の貸金庫に保管されていた、宗像氏と彭明敏氏がやりとりをした229通の書簡を台湾国史館に寄贈した。

国史館は本日、宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集の新刊発表を行い、半世紀以上にわり封印された書簡を初公開した。

国史館は午後、「廖文毅事件」、「史明関連事件」、「宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集」の新刊発表および座談会を開催し、故宗像隆幸氏の未亡人・宗像瑞江氏が出席した。

宗像隆幸氏が無くなってから3年後、瑞江氏が、1968年8月から1972年9月まで、元総統資政・彭明敏氏がかつて宗像隆幸氏との間でやりとりした229通の手紙を持って日本から台湾を訪れ、国史館に寄贈した。

宗像隆幸氏は彭明敏氏が台湾を脱出するのを助けた「X計画」の重要な人物だったが、二人は当時一度も対面せず、手紙をやりとりするだけであった。

宗像氏は当時、「X計画」の成功率はわずか50%であり、計画が失敗すれば彭明敏氏は国民党に殺害される可能性があり、自身も危険にさらされる可能性があると評価した。

しかし、お互いに顔を合わせたことのない二人は、重要な時に互いを信頼した。

彭明敏氏が台湾脱出に成功して1年以上経過した、1971年5月に二人はアメリカで初めて対面し、2019年12月に宗像隆幸氏が台湾を訪れ、美麗島事件の40周年行事に参加し、彭明敏氏を訪ねたのが、二人の生涯で最後の対面となった。

宗像瑞江氏はスピーチで、かつて宗像隆幸氏がこれらの貴重な手紙を銀行の貸金庫に保管することにした理由は、自宅に保管していると捜索されて世に出ることを心配したからだとした。

以前は、対面していない彭明敏の脱出を助けた訳が理解できなかったが、二人の往復書簡を整理するうちに、彭明敏が非常に深みのある人物であること、および、二人が脱出計画を秘密に保つことを約束したことを知ったという。

宗像瑞江氏は、中華人民共和国は「台湾を中国の一部」と言っているが、実際には台湾の総統と立法委員は独自に選挙を行っており、中国とは何の関係もない。

皆の努力によって、台湾が今日のような民主化の成果を得ることができた。

いつか台湾が新たな正常な国になることを願うと述べた。

国史館の陳儀深館長は、宗像隆幸氏について、一生を台独運動に捧げた日本人であると賞賛した。

宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集の内容から、一般には知られていない彭明敏の思想、および、中華民国政府が困難な時代、白色恐怖の時代の台独運動家の考えと選択について知ることができ、今日、純粋な台独、あるいは反台独を自任する人々にとって思考に値する点が多くあるとした。

国史館によると、彭明敏氏が台湾で国民党政府によって厳重に監視されていたため、宗像氏が彭明敏氏に送った手紙は適切に保管することができず、彭明敏氏が国外逃亡する前に償却されてしまい、現在は1970年以前に彭明敏氏が宗像氏に宛てた手紙のみが、宗像氏の妹である宗像真知子氏により宗像氏の郷里に保存されたため今に残っているという。

国史館によれば、書簡には彭明敏氏の脱出計画が完全に描かれているだけでなく、後の「偽装結婚計画」、「羊羹事件」、辜寬敏の駐日大使・彭孟緝との密会、海外台独勢力の統合の試みなどの歴史が初めて明らかにされているという。

また、彭明敏氏は穏やかで漸進的な自由主義の学者で、革命路線を強調する台独聯盟とはスタイルが異なるという印象が持たれているが、宗像隆幸氏との書簡の内容からは、彭明敏氏の大胆で冒険的、情熱的で急進的な一面が垣間見えるという。

国史館によれば、宗像隆幸氏は海外の台湾独立運動家として、台湾青年社(台独聯盟の前身)に参加した最初の日本人であり、台湾独立建国の理念を広め、政治犯の救援活動に同情心・善良さ・情熱をもって取り組んだとした。

国史館は、宗像隆幸氏が一生を通じて台湾の人々を静かに支え、名誉や報酬を求めず尽力したとし、まさに台独聯盟の元主席・黄昭堂氏が言うように、「台湾がどれほど感謝しても感謝しきれない恩人である」と強調した。

国史館によれば、二二八事件を目撃し、『裏切られた台湾』という本を執筆したジョージ・H・カーが「一生を通じて台湾に関心を寄せたアメリカ人」であるならば、長期間にわたり海外の台湾独立運動に参与した宗像隆幸氏は、「一生を台湾に捧げた日本人」と言えるとした。

(編集:張若瑤)1130120

[写真(未掲載)] 台湾国史館が1月20日午後、『廖文毅事件史料彙編』、『史明関連事件史料彙編』、および『宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集』の新刊発表と座談会を開催した。

総統府秘書長の林佳龍氏が出席しスピーチを行った。

中央社・郭日暁記者2024年1月20日撮影。

[写真(未転載)] 台湾国史館は20日午後、『廖文毅事件史料彙編』、『史明関連事件史料彙編』、および『宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集』の新刊発表と座談会を開催した。

日本人・宗像隆幸氏の未亡人・宗像瑞江氏も出席し、スピーチした。

中央社・郭日暁記者2024年1月20日撮影。

[写真(未転載)] 台湾国史館は20日午後、『廖文毅事件史料彙編』、『史明関連事件史料彙編』、および『宗像隆幸と彭明敏の往復書簡集』の新刊発表と座談会を開催した。

これら三冊を通じて、今日の台湾の民主と自由の尊さへの理解が一層深まるよう期待している。

中央社・郭日暁記者2024年1月20日撮影。

https://www.cna.com.tw/news/aipl/202401200157.aspx


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