【阿彰の美味しい話】チェッアミィ=切仔麺
「片倉佳史の台湾便り」より
台湾の代表的な麺料理である「切仔麺(チェッアミィ)」は店の看板やメニューなどでは「切仔麺」と書かれている。チェッガミィの「チェッ」という発音は麺をお湯の中で茹でる際、上下に揺する動作を表しているのだが、この発音を通例的に「切」と表記する。つまり当て字だ。これが定着してしまったため、この漢字表記の台湾語発音で「ツェッラミィ」と呼ぶ人も少なくない。
さて、チェッアミィは薬味となる刻みネギやニラ以外には具がほとんど入っていない。とてもシンプルなもので、スープ入りとスープ無しのタイプがある。スープはあっさりとしているがコクが感じられる。スープ無しの和え麺タイプには屋台料理によく使われる赤い甘辛いタレ(海山醤)がかけられている。麺は伝統的な油麺(イゥミィ:かんすいが用いられる黄色い麺)が使われる。茹でた豚の内臓類や野菜、豚肉の揚げ物などと合わせて食べるのが一般的。
阿國切仔麺
台北市民生西路81號
※文章中の読みは台湾華語(台湾式北京語)ではなく、ホーロー語(台語)によるものです。
プロフィール:内海彰(UTSUMI AKIRA)/グラフィックデザイナー。
1980年代後半から台湾に強い関心を持ち始め、20年前に台湾へ移住。著作「台北美味しい物語」(まどか出版)。