【民進党十年政綱】台中経済関係.情勢と課題

【民進党十年政綱】台中経済関係�.情勢と課題

�.情勢と課題

台湾は海洋国家であり、貿易は台湾経済の根幹である。四方に面した海に向かって発展し、八方にある海洋のあり方こそが、台湾の生命力の源である。台湾国民は半世紀にわたって努力し、作り上げてきた経済貿易の版図を大切にし、世界的に注目されている経済的な実力を強化するべきである。

両岸の経済関係は、台湾のグローバル戦略の一環であるが、あくまでも国際貿易の一部であり、唯一のものではない。世界各国との間に多面的で均衡ある、そして持続的かつ対等な経済関係こそが、台湾の持続的発展にとって重要な鍵である。そしてまたそれは台湾海峡の安全を保障する基盤となる。このため、台湾が両岸経済関係を発展させるためにはその他の貿易相手国との経済関係も強化する必要がある。多国間の枠組みこそが海洋国家である台湾の基本戦略だからである。

中国は前世紀末の改革開放によって門戸を開き、その豊富かつ低廉な労働力を武器に外資を大量に引き寄せ、瞬く間に「世界の工場」となった。台湾は90年代初期に国民の中国への投資を解禁して以来、台湾の資金・人材・技術が大量に中国に流れ出した。中国は経済成長を続けたが、経済的福祉を成し遂げていない。台湾の経済成長は鈍化し、実質賃金は停滞、失業率が上昇し、貧富の格差は拡大してしまった。

台湾の中国に対する投資の傾向は、川下の労働集約型産業から先に進出し、その後川上産業もそれに追随した。われわれが一貫して強調してきたこれに対する対策とは、川上技術の先進性を維持し、研究開発部門やオペレーション本部を台湾に残しさえすれば工場移転を恐れる必要はなく、台湾自身の経済発展にも希望が持てるというものだった。しかし現実はそうではなかった。これまで中国は低廉な労働力によって台湾の労働集約型産業を引き寄せ、「中国の台頭」という奇跡を起こしただけでなく、現在の中国は産業転換し、垂直統合の方法によってもともと中国の部品組み立て工場に部品を提供してきた台湾の川上産業を引き寄せている。川上産業が中国に買収されたり、中国に移ったり、中国製品にとってかわられたため。「研究開発部門」と「オペレーション本部」だけでは台湾経済の衰退を取り戻せない状態に陥りつつある。

そこで、両岸の経済交流の得失については即断できない。台湾は新たな思考と視野を持つ必要がある。台湾自身の経済体質を強化し、世界各国との経済的結びつきを強めることによってのみ、世界経済システムの中で存立と影響力を及ぼすことができる。もし単に相手側の善意に期待するだけで、自らの命運を他国の気まぐれに依存させているだけでは、新天地を開拓するためのエネルギーと未来に挑戦する勇気を持つことはできないであろうし、経済的自主性を維持することはさらに不可能となるだろう。このため、両岸経済関係は台湾の国際貿易・産業経済を発展させるという前提で進められるべきである。要するに、四方に面した海に向かって発展し、八方にある海洋のあり方こそが、台湾の特色なのであり、台湾の禍福の源なのである。


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