【寄稿】李登輝元台湾総統がノーベル平和賞を受賞するに足る所以(4)

【寄稿】李登輝元台湾総統がノーベル平和賞を受賞するに足る所以(4)

─台湾民主化についての功績

           柚原正敬 (日本李登輝友の会 事務局長)

4、政治犯の釈放と言論の自由の確立

李登輝は総統に就任した直後の1988年4月21日、政治犯の一部を減刑して釈放し、台湾民主化の第一歩を印した。また、1989年1月20日に人民団体組織法を成立させて政党結成を合法化し、民主化の要件である政党政治の実現に道を開いた。

1991年5月22日には40年以上も台湾住民を束縛してきた懲治叛乱条例の廃止を布告し、7月3日にはブラック・リストの一部を解除して、帰国を禁じられていた人々の帰国を認め、翌1992年8月1日には国家安全法を改正施行してブラック・リストを大幅に解除している。同年5月16日には、反政府運動などの思想犯や陰謀罪を処罰する「刑法百条」を改正して政治犯を釈放し、叛乱罪事件で係争中の事件も免訴した。これによって台湾に言論の自由がもたらされる。8月1日には、李登輝が総統に就任するまでの中国国民党政権下における強権政治と圧政を象徴する警備総司令部を廃止した。

1994年1月18日、台湾人権促進会は台湾に政治犯は存在せずと表明し、台湾に民主化が進展していることを証した。


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