【台湾選挙2024】野党候補一本化の茶番劇、実は意味がある!

【台湾選挙2024】野党候補一本化の茶番劇、実は意味がある!

台湾独立建国聯盟日本本部 林省吾

台湾総統選挙立候補届出の締切日前日まで引き延ばされた野党候補の一本化は、破局という結末で幕が閉じた。

はずだった。

11月21日、民進党は蕭美琴(しょう・びきん)氏の副総統候補出馬を発表した。

蕭美琴は現任の駐米大使であり、国内外で高い評価と人気を誇る最高の人選である。

野党のまとまらない野合と比較すると、このタイミングでの蕭氏の出馬決定は、民進党の戦況を一気に有利な方向に展開する好要素のはず。

しかし、いざ蓋を開けてみると、21日以降、賴清德候補の支持率は上がるどころか、下がり続ける一方だ。

有権者の目線は、完全に野党候補一本化の劇場型ドラマに集中させられてしまった。

台湾の主要メディアは民衆党の柯文哲候補と国民党の侯友宜候補の二人の動静をほぼ24時間体制で追跡した。

テレビ速報、中継などを駆使し、まるで政治リアリティショーを放送しているかのようであった。

極め付けは11月23日、締切まで24時間を切ったぎりぎりの状況で行なわれた最後の協議は、独立候補としての出馬を目指す郭台銘氏も交え、一見本気で真の野党統一候補を決めようとしているかのように見えた。

しかし、三者はなんと報道陣の前で協議するという前代未聞の形を取ったのである。

まるで協議の結果より、メディアへの露出を優先したいと言わんばかりだ。

案の定、話し合いは決裂。

だが、茶番劇の裏の目的は達成した。

相手に有利な材料を別のニュースで被せて無力化するのは、中国が情報戦でよく使う手法である。

野党側が意図的にこの戦術を取ったのか、それとも知らずに操られたのかは分からないが、どちらにしても作戦は大成功を収めた。

この茶番に蕭美琴出馬のニュースが薄められてしまったのだ。

ところで、一本化は果たして本当に破局したのだろうか? 三組の総統候補が出揃ったあとの世論調査を見ると、柯文哲候補の支持率も下がる一方だ。

もし野党支持者が戦略的な投票を行うように操作され、侯友宜候補に票を集中させる動きがあれば、一本化したのも同然となる。

選挙は事実上、与野党の一騎打ちとなる。

野党の分裂で賴清德候補の楽勝だと分析する評論家が多い今、筆者は「異議あり」と一石を投じたい。


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