「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
習近平の最大の関心事はおそらく10月18日に開かれる19回中国共産党大会の中で、「習近平思想」を何等かの形で綱領に入れられるかということであろう。毛沢東や鄧小平と同じ様に自分の名前を党の綱領に入れられれば、死ぬまで権力の座から追い出されることはないからだ。
ところが習包子(習肉まん)と揶揄されている「無才無徳」(才能もなければ人徳もない)の習近平が果たして綱領に入れるほどの思想を持ちうるのかは甚だ疑わしい。例えば、愛称ともいうべき「習包子」をそのままほっとけばいいのに彼はそれを禁止し、包子(肉まん)までもネット上の禁止用語にしてしまい、自分の「無才無徳」を立証したのである。
習近平の唯一とも言うべき功績とは「反腐敗運動」であり、その反腐敗運動の急先鋒は盟友の王岐山である。
知的で有能で清廉潔白というイメージを持つ王岐山だから高官の腐敗を追究する大義名分も立つのだが、当の王岐山が多数の愛人を囲み、数兆人民元もの資産を国から盗み出しているとアメリカに亡命している中国人富豪郭文貴が暴露している。おまけに中国共産党規律委員会の内部会議の動画がネット上に流され、王岐山はそのなかで「汚職しても愛人を囲んでも全然構わない。重要なのは政治姿勢であるのだ」と発言している。この動画は「反腐敗運動」が政敵を粛清する凶器に過ぎないことを立証する証拠である。
以上のように唯一の功績である「反腐敗運動」の正当性が否定された以上、一体習近平思想に何が残るのか。包子(肉まん)の方がよっぽど中身があるのではないか
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