【蔡英文総統】台湾は南島語族

【蔡英文総統】台湾は南島語族

 「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)

蔡英文総統は11月1日、外遊先のツバルで「台湾はツバルと同様に南島語族に属する」と発言した。この発言はただの外交辞令ではなく、台湾人が漢民族ではないことを仄めかしている。

実は10月15日の外交部の記者会見で学者出身の呉志中政務次官がこの外遊を「尋親之旅」(ルーツ探しの旅)とネーミングした。外遊先のオセアニア3カ国が台湾人と同様のルーツを持つ南島語族(オーストロネシア語族)だからである。

条件反射のように、中国はこのネーミングにヒステリックに反応した。お抱えの御用学者はもちろん、台湾の親中派マスコミをも動員して一斉に台湾政府を叩いた。「バカを言うな、お前のルーツは中国だ」と。本島台湾人も中国からやってきた漢民族だというのが彼らの持論だ。この持論が台湾を併合しなければならない根拠の一つになっているからこそ、中国はこの論理を根底からひっくり返す主張をどうしても許せなかった。
 
 ところが、人類学、遺伝学、統計学などの研究によって本島台湾人は実は漢民族ではなくオーストロネシア語族であることが明らかにされた。しかも台湾の若い世代ほどこの新しい学説を受け入れているため、台湾社会では漢民族神話は崩れつつあるのである。

そもそも同じ民族だから同じ国にならなければならない理由はなにもないが、台湾人も漢民族であるという神話を使って台湾人の心理的防衛線を崩そうという中国の企みが今も存在している。

台湾総統府はその後、この外遊を「永続南島、携手共好」(永遠なれ南島、手を携えて共に栄えん)とネーミングし直した。新しいネーミングがトーンを上げたのか、もしくは下げたのかは、読者の判断に任せよう。


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