【佐藤千枝台湾レポート】高雄・武徳殿と英国領事館

【佐藤千枝台湾レポート】高雄・武徳殿と英国領事館

ゴールデンウイークの台湾旅行レポートを寄稿していただきました。

<高雄の武徳殿>

高雄の武徳殿を訪れた。レンガ造りの武道館って珍しいな。
玄関が2階にあるので階段を登ろうとすると脇には灯篭が。
柱には的に当たった矢のレリーフが飾ってある。弓道場もあ
るのかな?

玄関の前には大きな木があり、なぜか絵馬がぶら下がって
る。漢文と一緒に日本語の絵馬まである!日本人までノル
なー!

そして玄関にはしめ縄があり、看板には当時の高雄市長の
謝長廷さんの名前がある。

今日は定休日で扉が閉まっているが、中には賽銭箱が見え
る・・・・。

もしかして入場料を賽銭箱に入れるシステムなのか?にして
も「開運祈福」とか書いてあるし、さっきの絵馬といい、他
にもお守りや(1個100元。3個で200元)しめ縄の販売といい、
祭神は誰よ?! もしかして神棚が祭神か?

『弦音(つるね)は災いを祓うから神社に弓が奉納されている
が、台湾ではごちゃ混ぜになっているのでは?』との弓道
の先生談。

傍にある説明書きの漢字を拾い読みすると大正13年建築。
警官や学生が剣道や柔道の練習をしていたらしい。

それにしても台湾人って商人(あきんど)だなぁ。

<英国領事館(打狗英国領事館)>

お昼に食べた食堂の押しの強いお姉さんの勧めで予定に無
かった英国領事館に行く事にした。

お姉さんに地図に載っていなかった橋に連れてってもらう。
港をぐるっと回らないと行けないと思ってたから、これならお
姉さんが言うように10分で行けるかも(実際20分近くか
かった)。

ふもとから見上げると、領事館は山の上。
食堂のお姉さんは4階分の高さと言っていたが、本当か?

英国領事館の下の道に着くと道路を挟んだ向かい側の駐車
場には観光バスがたくさん駐車している。

その駐車場入口には中国共産党に迫害されている法輪功
の車と領事館への階段入口には虐殺された法輪功信者の
死体や拷問された写真が並べられ、共産党批判の中文が
いっぱいだ。

そして階段を見上げるとお揃いのシャツや帽子・バックを持っ
た中国人観光客がビル4階分の高さの階段(階段だけ見る
と4階分に見えるな)を登り降りしている。意外と中国人観
光客は、中国政府への批判に興奮したり怒ったりすること
なく、普通に見ながら通り過ぎていく。

観光会社から「相手にするな」と注意されているのかな?
それとも中国人に人気の観光地にはあちこちにコレと同じ
ようなものがあるから慣れたのかも。

さて、私も階段を登るとそこは中国人ツアーの集合場所だっ
た。バーバリの帽子やアディダズのバック(パチもんにしか
見えん)を持った人々でいっぱいだが、ペットボトルやインス
タントコーヒーのビンに烏龍茶葉を入れた水を入れて持ち歩
いている人があちこちにいる。

水の色が薄いから絶対お湯じゃないな。水出し茶って烏龍
茶でもあるんだ。ぜひ、写真を撮りたいとおじさんに
「ニイハオ。我日本人。ピクチャープリーズ。フォトOK?」
と、ペットボトルにカメラを向けながら声をかけると、怯えた
ように後ずさりしていく(そんなに私の顔が怖いのか?)

すると、近くにいた同じツアーのオバサン達が私に違う男
性を指差して話しかけてくる。その男性もどうしたのか?と
近づいてきて、
「我台湾人」
この人、台湾の旅行会社のガイドだ。

ペットボトルを指差しながら
「我日本人。アイ ウオント フォト。ピクチャープリーズ。」
と言ったら、ワッハッハと笑いながら最初に私が声を掛け
た男性からペットボトルを受け取り写真を撮らせてくれた。

撮ってる間に男性は周りに中国語で説明したらしく、撮り
終わってペットボトルを返した頃には回りの中国人に囲ま
れ、いろいろ話しかけられたが当然わからん。

ガイドさんが台湾華語と筆談で、この人達は四川から来
たが、あなたは?と、聞かれたので、メモに「埼玉県」
と書いたが中国人観光客達には通じない。そこで、簡
単な関東平野を書いて東京の位置を書き、その上に埼
玉県と書くとみんな納得。

それにしても、水分補給に烏龍茶を飲んでるんだろうけ
ど、お茶って利尿作用があるから かえって水分不足に
なるんだけどなぁ。すぐ傍にはスポーツ飲料も売ってい
る自販機があるのに買う人が皆無だし、台湾ってえらく
暑いのに大丈夫かな。

不思議な事に中国人観光客の言葉は何言ってるか解ら
なかったが、台湾人ガイドさんの言う事は(完全にでは
ないが)理解できたし、私の言ってる事も解ってくれた。
台湾人って日本人の下手くそな台湾華語に慣れてて、
日本人に理解しやすい話し方を知ってるのだろうか?

いよいよ領事館の建物の中へ。チケット売り場が無い・・・。
入場無料!高雄市政府、太っ腹!

昔の日本のポストによく似たイギリス式ポストの脇にある
坂を登り、庭園側のテラスから入るとまわりは中国人観
光客でいっぱいだ。建物だけ撮ろうとすると人が切れる
まで待つので一苦労だ。

中には骨董品の西洋の家具・調度品が置かれ、それぞ
れ応接室や食堂・寝室などが再現されている。特に応接
室にはイギリス外交官と清のお役人の会談シーンが人形
で再現され、壁にはヴィクトリア女王一家の肖像画や昔
の領事館の写真などが飾られている。テラスからは高雄
港が良く見える。

なにやら地下へ続く廊下が。中に入ると半地下の状態で
いくつかの部屋に区切られていて、ちょっとしゃがまない
と通れない大きさの穴で繋がっている。ここって昔は何に
使っていたんだろう。庭が見える窓には鉄格子が。まさ
か地下牢じゃないだろうな。でも隣の部屋の窓は普通だ
し・・・。

テラスや地下室の窓から見えた庭に出ると高雄港が一望
だ。当時のイギリス人は贅沢な暮らしをしてたんだな(生
活には不便だけど)。

台湾の声編集部 taiwannokoe@googlegroups.com


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