【ニュース】直轄市昇格で主要都市の首長選挙は来年末に延期

【ニュース】直轄市昇格で主要都市の首長選挙は来年末に延期

2009.7.1

           台湾の声

 台湾行政院は6月29日に省庁首長会議を開き、台北県、台中県・市、台南県・
市、高雄県・市の直轄市昇格を決定した。

 現在、台湾は台北市と高雄市の2つの直轄市がある。今回行政院は大都市圏を
持つ地方自治体の統合を進め、人口が最大の台北県が「新北市」に、台中県と台
中市が合併して「台中市」に、台南県と台南市が合併して「台南市」に、直轄市
の高雄市が高雄県を吸収合併して「高雄市」となることが決まった。

 馬英九総統(大統領)は「3都15県」の地方制度改革目標を掲げており、当初
は台北、台中、高雄の「3都」を想定し、台南県・市の直轄市昇格には消極的だ
ったが、国会では野党の民進党籍の台南県長、台南市長が強く要望し、行政院は
台南の古都としての歴史的な発展を考慮して直轄市昇格を承認した。

 現在、台湾の人口のうち、直轄市(台北市、高雄市)の在住者は約18%だが、
新直轄市(台北市、新北市、台中市、台南市、高雄市)の在住者は約60%を占め
る。

 今年末に県市長(知事)選挙が予定されているが、今回昇格した直轄市は2011
年からスタートするため、新直轄市の首長選挙は台北・高雄市長と同じ2010年末
に実施することとなり、現行の県市長の任期が1年延長される。このため、今年
末の地方首長選挙は台湾人口の約40%の地方自治体でしか実施されないことにな
る。

 選挙を延期することで直轄市に昇格する県市の現職の国民党籍の地方首長が居
座り続けるのは不当だという批判もあるが、立候補の公認争いで内輪モメしてい
た民進党の建て直しに時間的猶予ができたという見方もできる。また、2010年末
の直轄市選挙までに第3勢力が出てくるかどうかも注目される。


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