【ニュース】不透明なECFA、馬英九総統と蔡英文主席が直接対決へ
台湾の声
3月31日と4月1日の2日間、台湾の桃園県で台湾と中国の政府関係者らによ
る「両岸経済協力枠組協定」(ECFA)の実務協議が行われた。同協議は主に台中
間貿易の関税減免先行実施項目が話し合われた。
台湾側は台湾世論からの反対が強い「中国産農産品の台湾への輸入項目増加」
と「中国人労働者の台湾での就労解禁」についてはECFAに組み入れないという基
本方針を守ったとしているが、台湾側が求める台湾産農漁産品の中国への輸出の
関税減免に中国側が応じないなど、馬英九政権が描くシナリオ通りには進まなか
ったと見られる。同協議の具体的な結果は公式には公開されないため、台湾と中
国がどこまで合意に達したのかは不透明な状況だ。
このほか、台中ECFA締結に関してECFA反対運動も盛り上がる中、馬英九総統と
野党・民主進歩党(民進党)の蔡英文主席による直接討論が4月下旬に行われる
ことが決まった。
総統府の羅智強スポークスマンは「馬英九総統が今回の直接討論で国民に訴え
たいのは、(ECFAの締結は)民進党政権の8年間の『鎖国』による不利な状況か
ら脱却するためである」と強調した。
一方で、民進党サイドは、民進党政権時代に世界貿易機関(WTO)に加盟して台
湾が世界に広がったと「鎖国」との批判に反論し、何もかも中国に閉じ込められ
るようなECFAこそ台湾を危険にさらすものだと主張している。