【エッセイ】肉骨茶と滷肉飯:私たちの本当の名前

【エッセイ】肉骨茶と滷肉飯:私たちの本当の名前

作者:余建德

 「肉骨茶(bak kut
teh)」〔バクテー〕というマレーシア・シンガポール料理は福建語でオックスフォード英語辞典に収録されている。

ところが、我々台湾の有名な「肉燥飯bah-sò-pn̄g」〔バーソープン〕及び「滷肉飯ló͘-bah-pn̄g」〔ローバープン〕は異なる運命を辿った。

数多くの台湾人が中国語で台湾料理を外国人に紹介しているので、祖先からの美味しい食べ物は本来の読み方、いわばその「味」を失ってしまった。

特に日本人は滷肉飯を「ルーローハン」と呼んで商品化し、日本のどのコンビニでも買えるようになったので、我々台湾の滷肉飯という料理が、まるで中国の食べ物になったかのようだ。

「台語貓」、「台灣台語路協會」などのウェブページでは台湾語の読みを見つけることができる。

「魯肉飯(ロバプン)」と表記した日本の書籍もある〔温又柔『魯肉飯(ロバプン)のさえずり』中央公論新社、2020年〕。

流れを変え、肉燥飯/滷肉飯の台湾語の発音がグローバル化することを望む。

また、台北には「魯肉飯(Lo Bah
Png)」と台湾語の発音を表記している店がある。

時間あれば必ず食べに行く。

台湾でチェーン店化し、日本にも進出して、「ルーローハン」と勝負をし、世界に私たちの本当の名前を知らしめてほしいものだ。

〔初出:facebook
2024年9月9日。

もとは台湾語版(漢字交じり表記、ローマ字表記)および日本語版併記の記事。

本誌掲載にあたっては、改訂し日本語のみとした。


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