「蔡英文前総統訪日認めぬ」への抗議文【在日台湾同郷会】

総理大臣石破茂殿
外務大臣岩屋毅殿

「蔡英文前総統訪日認めぬ」への抗議文

　「日本政府は昨年7月、台湾の蔡英文前総統が安倍晋三元首相の三回忌に合わせて来日を調整したが、中国の反発を懸念し、認めなかった」との報道に接し、失望を覚えると同時に憤りを禁じ得ません。

今回の蔡英文前総統に対する仕打ちは明らかに「基本的人権」を無視するものであり、蔡英文前総統個人への侮辱だけに留まりません。

中国に媚びるあまり平然と台湾を足蹴にし、台湾人全体を侮辱するものです。

台湾は日本と文明社会共通の価値観を共有しています。

それだけではなく日本の重要なパートナであると日本政府は認識し、表明してきたのではありませんか。

にも関わらず独裁国家の中国に媚び、北京政権の怒りを恐れ、最も親日である台湾を虐める、このれほどまでに自らを矮小化する、情けない日本政府の姿は見るに堪えません。

独裁国家に迎合し、民主国家の前総統を蔑ろにするこの決定は、中国から一層軽蔑され、台湾をはじめ多くのアジア国家からの信頼を失い、挙げ句の果てに日本国の品格も尊厳も深く傷つけることに繋がります。

日本がアジア民主国家のリーダーシップを取れるよう願っている者として深く憂慮せざるを得ません。

私達は台湾の尊厳のためだけでなく、日本の尊厳のためにも、ここに抗議します。

そして、今後、中国への迎合を止め、今回の蔡英文前総統だけではなく現職の台湾高官の来日を受け入れる勇気と真心を持つよう真摯に呼びかけるものです。

2025年3月23日
在日台湾同郷会会長　王紹英

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