【騙されないように】林志昇の嘘を検証する(2)

【騙されないように】林志昇の嘘を検証する(2)
【騙されないように】林志昇の嘘を検証する(2)

         アンディ チャン

前号(No.501)のサンフランシスコ平和条約の第4条を検討した部
分に間違いがあったので訂正いたします。米国が「主要占領国を持
続保有」と言うウソを討論した部分の最後の二行、「不利な第2条a
を書かず第2条bだけで「米国の占領権」を主張するのは詐欺手段
だ」と書いた箇所は、第2条ではなく第4条aとbです。

さて、林志昇の嘘の続きを書く気になったのは彼の嘘がかなり広が
って騙される人が増えているからである。彼の手口はSFPTとか国際
法、明治憲法など麗々しく書いた後で、書いていないことを推測し、
断定する。読者はSFPTや国際法など調べないで信用してしまう。

一ヶ月ほど前、スカリア(Antonin Scalia)最高裁判事がテレビ対談
で、「法律とは常に正確に書かれている。書くべきことは書いている、
書くべきでないことは書いていない」と言った。私は「これだ!」
と感じた。林志昇は真実(あること)に嘘(ないこと)を混入して
人を騙しているのだ。

●台湾は米国の領土と言う証拠はない

6月19日の台湾守護週刊、No.127に廖東慶という人が「中国に台湾
の主権を持っている証拠はあるのか?」と言う記事を掲載した。

要約すると、中国が国連に加入した1971年、「台湾は中国領土の一
部である」声明を出してもらいたいと要求した。国連側は台湾が中
国の一部である証拠を提出せよと答えたが、9ヶ月待っても中国側
は証拠を提出できなかったと言うのだ。

ここまではよいが、筆者は最後のパラグラフで彼自身も証拠がない
ことを堂々と書いている。

最後のパラグラフを要約すると、どの国が台湾の主権を握っている
かと言うと、SFPTに依れば米国である。1952年、60カ国がサンフラ
ンシスコに集まってSFPTに署名したが、中国と中華民国は参加しな
かった。日本は正式に台湾澎湖の主権を放棄し、その瞬間に台湾澎
湖の主権は『正式に米国の所有』となった!。この条約の原本は何
所に保存してあるかと言えば、米国国会図書館の『条約文書室』で
ある。

この部分は不正確な事実と嘘の混合である。SFPTの記述は不正確、
台湾澎湖が米国の所有になった証拠はない。SFPTを詳しく検討して
みよう。

●サンフランシスコ平和条約の詳細

サンフランシスコ平和条約は1952年ではなく、1951年9月4日から
20日までサンフランシスコで会議を開き、52カ国が参加した。この
うち49カ国、つまり日本と48カ国の代表が9月8日に調印した。
そして条約の第23条aに拠り、調印国のうち、主要占領国(Principal
Occupying Power)の米国を含めた17カ国の過半数が条約を批准し、
1952年4月28日に発効した。

第23条aでこの条約が批准されなければならない、と書いたのは、
代表が条約に調印しても調印国の国会が批准しなければならない。
つまり条約に調印しても国が批准しなければならないのである。

つまりSFPTの第23条aは各国の批准について述べているのであっ
て、ここで林志昇が、第23条aに「主要占領国」とあるから米国が
「占領権」と持ち、条約発効後も占領権を持つという主張は根拠が
ない。SFPTには「占領権」について述べた箇所はない。スカリア最
高裁判事の言う、「書いていないこと」をあるように主張した虚偽の
陳述である。

日本以外の49カ国のうち、インドネシアとルクセンブルグはSFPT
に調印したが批准しなかった。

これは私見だか、条約の原本が米国にあるというのはおかしい。調
印国はそれぞれ原本を保持していて、批准書のみが米国に寄託され
たのである。当然のことだが調印国は原本を本国に持ち帰って保存
する、つまり49カ国が原本を持っているはずである。例えばオバマ
とプーチンが条約にサインすると、その場で二つの原本に調印され、
互いに原本を交換しあって握手する。

林志昇グループは米国が原本を保有しているのは米国が主要占領国
である証拠だと読者に思わせているが、調印国がそれぞれ原本を持
っていなければおかしい。日本のSFPT原本は外務省条約局に保存さ
れている。

●第2条「領土」と第4条「財産の処理」について

ここでスカリア最高裁判事が述べた「書くべき事は書いている、書
くべきでないことは書いていない」の検討をしたい。

日本国はSFPT第2条bで台湾澎湖の主権を放棄し、第3条で沖縄を
米国の信託統治制度の下に置くことに同意した。第2条bで台湾澎
湖の主権は放棄されたが、米国に台湾の統治権または占領権がある
とは書いていない。

第4条bで日本は米国占領軍政府(The United State Military
Government)が日本の財産処理を行った(過去形)ことを承認する
と書いてある。だからと言って米国占領軍政府が第2条bに遡って
台湾澎湖の領土処分権を有するとは書いていない。もしも米国が台
湾の領土処分権を持つなら第2条bに明記していたはずだ。第2条
に書いていのに第4条bを使って「財産も領土も処分権がある」と
いう証拠にはならない。

第23条aには「主要占領国(Principal Occupying Power)」と言う名
詞が登場する。第23条は米国が条約を批准すべき条項だが、ここに
主要占領国米国を書いたことを第2条に遡って「米国が台湾の占領
権を持つ」と主張するのは間違いである。

林志昇はこのほかにも第4条の米国占領軍政府と第23条の主要占領
国を同一視して証拠にしているが両者は同じではない。占領軍政府
は平和条約が発効した時点で解散された。林志昇の「占領権は継続
して持っている」と言う主張は嘘である。

●間違った運動は独立を妨げる

「米国は台湾の占領権、或いは主権を持つ」と言う林志昇の主張に
は法的根拠がない。この主張で独立を熱望する人々を騙すことが出
来ても、法的根拠がないから米国や諸国が承認しない。

私は何度も林志昇と会談したことがあるし、林志昇グループの台湾
民政府(TCG)、林志昇から派生した台湾米国政府(TGUSA)には友人
がたくさん居る。彼らの熱意もよく理解している。皆は法的根拠が
なければ独立は出来ないと悟るべきだ。

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