レスの国際オリンピック委員会(IOC)総会会場には安倍晋三総理や高円宮妃久子殿
下、猪瀬直樹都知事やなど関係者全員が歓喜する映像が映し出され、日本列島も歓喜の渦。
東京オリンピックは2020年7月24日〜8月9日まで、パラリンピックは8月25日〜9月6日ま
で行われる計画だ。
東京に決まった瞬間をリアルタイムで見ていた。そのとき真っ先に頭をよぎったのは台
湾の参加名称のことだった。
現在、バレーボールの世界選手権アジア最終予選が愛知県内で行われているが、台湾チ
ームの参加名は「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」。けっして「台湾」ではない。3
月に日本で行われた野球の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も、台湾
チームの参加名は「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」だった。
台湾がオリンピックなどの国際的なスポーツイベントに参加する場合、その名称は「中
華台北(チャイニーズ・タイペイ)」。また台湾は1991年11月にAPEC(アジア太平洋
経済協力)に中華人民共和国や香港とともに加盟しているが、その名称は「チャイニー
ズ・タイペイ」だ。
中華台北(チャイニーズ・タイペイ)となった歴史的経緯はもちろんあるが、複雑だ。
台湾の中華民国政府が「台湾」や「フォルモサ」という名称を使うことを拒んだ経緯もあ
る。
しかし、世界の国々が台湾出身者の居留証で使用している名称はほとんどが「台湾」
だ。日本も外国人登録証明書では「中国」と表記していたが、昨年7月9日から実施してい
る在留カードでは「台湾」と改めている。
2020年の東京オリンピックでは、台湾チームは「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」
ではなく、「台湾」で参加できないものだろうか。日本人の叡智を集めて何とか実現して
みたいものだ。
その台湾から、亜東関係協会の李嘉進会長が祝電を贈ったという。また、開催地をめぐ
って東京のライバルだったイスタンブールのあるトルコからも祝福が寄せられたという。
どちらも親日では引けをとらない。台湾といいトルコといい、日本は得難い友人を持って
いると改めて思わされた。
「復興アピールして」台湾から祝電
【産経新聞:平成25(2013)年9月8日】
【台北=吉村剛史】2020年夏季五輪の東京開催決定は台湾のテレビ各局なども大きく取
り上げており、台湾の対日窓口機関、亜東関係協会の李嘉進会長は8日、日本側窓口の交流
協会の大橋光夫会長と、猪瀬直樹東京都知事に祝電を送った。李会長は先月訪日した際、
猪瀬知事らに五輪招致成功を祈念するエールを送っていた。
李会長は、1964年の東京五輪の際も台湾のスポーツ振興などに波及効果が大きかったと
して、7年後の東京開催にも「期待を寄せている。必要な支援を行いたい」「東日本大震
災から復興を果たした姿を、全世界にアピールしてほしい」と語った。
「おめでとう東京」五輪決定後にネットで感動を呼んだトルコからの祝福
【東スポWeb: 9月8日】
2020年夏の東京でのオリンピック、パラリンピックの開催が8日早朝に決まり、日本列島
は歓喜に包まれた。この開催をめぐりスペインとともに“ライバル”となったトルコの
人々の行動がネット上で感動を呼んでいる。
20年の開催都市には東京、マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)の3都
市が立候補。IOC委員による決選投票の末、東京での56年ぶりの開催が決まった。
ツイッターでも決定後多くの日本人が喜びの言葉を上げ感動を分かち合ったが、その後
さらに感動的なことが起こった。世界のトレンドワードには「Tebrikler To
kyo」との言葉が入ったのだ。意味はトルコ語で「おめでとう東京」。トルコの人々か
らの日本への祝福だ。トルコ語で「トルコは日本の友人です」との言葉や日本語による
「東京おめでとう」との祝福も見られた。
もともと親日国として知られるトルコだが、落選してすぐに相手国の開催を祝うことは
簡単なことではないだろう。この話がネット上で広がると「かなり感動した」「オリンピ
ックが決まったことよりうれしい」などトルコへの感謝を述べるツイートが数多く寄せら
れた。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの会場でも東京が開催地に選ばれた直後、トルコのエ
ルドアン首相が安倍晋三首相に駆け寄り、抱擁し祝意を示した。開催国をめぐり争った相
手であっても、決定後には相手を祝福する。「平和の祭典」と呼ばれるオリンピック、そ
してスポーツの尊い精神を体現したトルコの行動だった。