「台湾」名の入場で始まった東京五輪の柔道60キロ級に現れた日台の絆

 東京オリンピックが始まった。7月23日の開会式における選手入場で、「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」名で出場していた台湾は、なんと大韓民国(だいかんみんこく)の後、タジキスタンの前に登場、それもプラカードも画像の字幕も「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」だったにもかかわらず、NHKのアナウンサーは「台湾です」と紹介した。

 これは、入場の順番を50音順にしたためとされているが、「中華民国」にしても「チャイニーズ・タイペイ」にしてもチェコ共和国の後となるはずで「台湾(たいわん)」と読まなければ大韓民国とタジキスタンの間には来ない。

 どこでこの入場順番を決めたのかはよく分からないが、驚きつつ喜んでいる日本人も台湾人も少なくない。また、このようなケースには必ずや噛みついてきた中国だが、北京の冬季オリンピックを控えているせいか、黙して語らず、批判は抑えたようだ。

 それにしても、7月24日に行われた男子柔道60キロ級では日本の高藤直寿選手が金メダル、台湾の楊勇緯選手が銀メダルとなった。高藤選手は日本の金メダル第1号となり、楊選手も台湾もメダル第1号、それもオリンピック史上初の銀メダル。高藤選手が楊選手の健闘をたたえて左腕を取り、2人で高々と両腕を上げた場面には感じ入った。高藤選手と楊選手の高いスポーツマンシップのなせることと思いつつも、編集子は日本と台湾だったから自ずと出てきた絆のシーンだったのではないかと秘かに思っている。

 なんとも爽やかな幸先のよい、コロナ禍のうっ憤も吹き飛ぶようなオリンピックの始まりだ。

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