WHOがHPで湾を鳥インフルエンザ感染地と不当表示

中国と同じ感染地とされたことに台湾がWHOに強く抗議

 台湾は中国の一部ではない。しかし、中国の一部だとする誤認識が台湾に大きな不利益
をもたらす。WHO(世界保健機関)が台湾を中国の一部として認めることで、台湾には
鳥インフルエンザの感染者がいないにもかかわらず、感染地として表示していることが読
売新聞などの報道で明らかになった。
 去る3月6日、アイスランド与党議員との席で、2年前に重症急性呼吸器症候群(SAR
S)の流行を経験し、台湾は鳥インフルエンザに対する防疫に関しアジアでは日本、オー
ストラリアに次いで優れた対応力を有していることを示した陳水扁総統は、台湾のSAR
S流行は中国が感染情報を隠匿したために発生したことや、過去400年で12回流行したイン
フルエンザのうち9回は中国が発生源であったことを挙げ、台湾が世界の防疫ネットワー
クから外されることはきわめて危険であると指摘したばかりだった。
 感染者がいない台湾を感染地と表示することは、誤りである。「国別表示をしただけ」
と言い逃れるWHOは、医療の分野まで中国の主張を持ち込む最悪の措置としかいいよう
がない。観光などに深刻なダメージを与えることも予想され、WHOは早急な改善措置を
講ずるべきである。                           (編集部)


鳥インフルエンザ防疫対策をさらに強化
【3月10日 台湾週報】

 世界保健機関(WHO)が制作した世界の鳥インフルエンザの感染地域を示す地図のな
かで、台湾は非感染地域であるにもかかわらず、感染地域として表示されていることがわ
かった。外交部は3月9日、駐ジュネーブ代表処を通じてWHO事務局に書簡を送り、こ
れに強く抗議するとともに、ただちに訂正するよう求めた。

 この地図は世界における病原性の高いH5N1型鳥インフルエンザウイルスの家禽への
感染と人への感染状況について示したもので、2003年と2006年1月以降とに分か
れている。中国は家禽、人ともに感染が認められた地域として表示されており、台湾も中
国に繋がる形で感染地域として表示された。

 地図の表示について、WHOスポークスマンは「地図は国家を単位としており、台湾は
中国の一省であるため、中国に含めて表示した」と説明した。外交部は書簡のなかで、台
湾がH5N1型ウイルスに関し、家禽も人も感染した例が一度もないことを明確に示すと
ともに、地図の表示は事実と全く異なるとして、ただちにこれを訂正するよう強く求めた。

 これに対しWHOは、問題を技術担当部署で処理するよう指示したことを明らかにした
が、どのように問題を解決するかについては回答しなかった。

 行政院衛生署疾病制局の周志浩副局長は9日、中国の横暴な要求のもとに、こうした誤
りがたびたび起きていることを指摘し、衛生署もWHO事務局に対し表示の訂正もしくは
注記を求め、台湾が感染地域ではないことを国際社会に正すよう強く求める考えを示した。


鳥インフルエンザ感染地区とHP表示=台湾がWHOに抗議、訂正求める
【3月10日付 時事通信】

 【台北10日時事】台湾外交部(外務省)は10日、世界保健機関(WHO)がホームペー
ジ(HP)で台湾を中国の一部として扱い、高病原性H5N1型の鳥インフルエンザウイルス
の感染地区と地図で表示しているとしてWHOに抗議し、訂正を求めたと発表した。


HPに鳥インフル感染地表示、台湾がWHOに抗議
【3月11日付 読売新聞】

 【台北=石井利尚】台湾当局は10日、世界保健機関(WHO)がホームページ(HP)
上で、台湾を中国の一部として、強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1)感染地と表示し
ていることに対して、WHO事務局に厳重抗議を申し入れたと発表した。
 中国では鳥インフルエンザの感染者は15人に達し、10人が死亡しているが、今年に
入り、台湾ではH5N1は確認されておらず、死者も発生していない。WHOのHPによ
ると、世界地図で、台湾は、「ヒトの感染が確認された国」「H5N1が確認された国」
として、中国と同じ色で表示されている。
 台湾当局は、「台湾の経済・貿易活動や観光産業に影響を与え、国際的なイメージに大
きなダメージだ」として、HPの表示を訂正するよう求めている。WHOは、「世界地図
では国別に表示しただけ」と、台湾側に説明したという。



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