このような殖民地支配=悪という単純な「台湾弾圧史観」に基づいた内容は歴史教科書に
も例がないほどで、公共放送として許されるものではありません。ましてや、台湾の日本
語世代が日本語で証言するという手法は悪質です。反日的と思われる発言だけを取り上げ
た印象は拭えず、光と影の影のみを強調した印象は否めません。NHKに猛省を促すべく
ご意見ご感想をお寄せ下さい。 (編集部)
■抗議先
・NHK「ジャパン・プロジェクト」の濱崎憲一ディレクター
TEL:03-3465-1111(代表)「ジャパン・プロジェクト」の濱崎憲一氏を呼ぶ。
・NHK視聴者コールセンター
TEL:0570-066066
・NHKスペシャル「感想・問い合わせ」
https://www.nhk.or.jp/special/contact/index.html
・放送倫理・番組向上機構(通称BPO)ご意見送信フォーム
https://www.bpo.gr.jp/audience/send/form.html
・総務省・ご意見ご提案の受付
https://www.soumu.go.jp/common/opinions.html
■番組制作の経過を仔細に解明して欲しい [梅岡 弘]
NHKの偏向番組「アジアの“一等国”」への抗議を濱崎ディレクターに向けて行うこ
とを呼びかけているが、それは当然として、同時に問題なのはNHKという公共放送の組
織体がこれを無造作に放映したことである。単なる担当責任者への抗議だけでなく、この
番組がどのようにして制作され放映されたかというNHK内部の経過を仔細に解明して、
その非違を問い、責任処断させる必要があるのではないか。それだけの深い問題を含んで
いる。
それともうひとつ心に留めなければならないのは、この問題に対するマスメディの産経
新聞を除く沈黙ぶりである。田母神論文のときの騒ぎかたとは全く反対である。日本をこ
ころよく思っていない外国の反日勢力を喜ばせることに日本の大部分のマスメディアは明
らかに加担しているのでないか。こうした状況のなかでの偏向番組の放映であることをよ
くよく腹に入れておこうではないか。(阿生)
●産経新聞の報道は]先に紹介した通りですが、週刊誌なども動いています。また、日本
李登輝友の会の「抗議声明」では、この番組の脚本を作成する上で参考にした書籍など
全資料の開示を要求しています。
■濱崎憲一氏は「台湾人からのクレームなどない」と返答
濱崎憲一氏に抗議をしました! しかし、彼は台湾の人たちの本音であるといいます。
「多くの方が報道内容のように思っている。証言した、台湾人からのクレームなどない!
1906年から日本は台湾より利益を上げている」
反省しては全くない。台湾人は日本が嫌いらしい?
●この番組を観た台湾の日本語世代の人々は大いなる違和感を抱いています。
■報道関係者が中国側の視点に立つ不思議 [好田 良弘]
「放送の企画意図が奈辺にあるやおおよそは察知できますが、先にも紹介したように、
日台を離間させるためという声も出ていますし、中国とNHKの間の何らかの「取引」を
指摘する声が出てくるのもさもありなんと思わせる今回の放送内容です」(4月13日発行、
メールマガジン「日台共栄」第1016号)
上記の記述を受けて、私が視聴して感じた番組の制作意図を簡潔にまとめると、以下のとおりとなります。
1、台湾と中国の住民は同族であり、統一国家の形成が望ましい。
2、これが現在も達成されないのは、日本統治時代の住民対策に起因する。
3、それは日本国への帰属意識を涵養する一方で、内地人との差別は著しいものであった。
4、従って、現地住民はこれを歓迎してはいなかったが、年月を経て、前者は深く浸透し
た。
5、これが、同族である中国人との間に心の壁を築き、日本が統治を放棄した後には進駐
者との軋轢を生み、現在でも統一国家の形成を妨げている。
6、つまり、現在の台中間の問題は日本の国策に起因しており、東亜に残した傷のひとつ
である。
7、日本人はこれを反省し、台中の統一を支援すべきである。
もしこれが的を射ているとすれば、いつもながら、自身の取材活動でも様々な障害に悩
まされているであろう報道関係者が、中国側の視点に立つことを不思議に思います。
例えば、台湾議会開設運動について、番組では摂政宮に対する直訴阻止を強調したもの
の、取り上げた写真を見ると、屋外で幟を掲げた集会を公然と開催していたようです。こ
れを現在の中国の姿と比較するだけでも、言論の自由を尊ぶ報道人であれば、違う見解に
至らないものなのでしょうか。
●蒋渭水氏のご子息の蒋渭川氏も取材を受けたお一人ですが、やはり番組の内容には違和
感を抱いているそうです。大正12年の摂政宮の行啓について、NHKは「皇民化」とつ
なげたい意向のようですが、この行啓は官僚出身の初の文官だった第8代の田健治郎(で
ん・けんじろう)総督のとき。いかに台湾の人々が感激したか、その詳細は『台湾と日
本・交流秘話』(展転社、平成8年刊)で紹介しています。