「日本台湾交流協会」を設け、台湾に日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)と日本台湾交
流協会高雄事務所(総領事館に相当)を置いている。
一方、台湾もそのカウンターパートとして、間もなく「台湾日本関係協会」に正式改称する「亜
東関係協会」を設け、東京に台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)、大阪に台北駐大阪経済文
化弁事処(総領事館に相当)を置き、横浜、福岡、那覇、札幌に分処を設けている。
アメリカもまた台湾との関係を維持するため「米国在台湾協会」を設け、台北事務所(大使館に
相当)と高雄支所を置いている。一方、台湾側のカウンターパートは「北米事務協調委員会」で、
ワシントンDCに駐米台北経済文化代表処(大使館に相当)を置いている。
一昨日の3月22日、駐米台北経済文化代表処の高碩泰代表が米国務省で行われた過激派組織「イ
スラム国」(IS)打倒を目指す有志連合の閣僚級会合に出席、ティラーソン米国務長官をはじめと
する67の参加国・地域・組織の代表者とともに集合写真を撮影したという。また、集合写真撮影の
会場で、米国務省は高代表の立ち位置に「台湾」と表示したとも伝えられる。
3月23日付の共同通信によれば、台湾の李大維・外交部長は3月22日に、立法院で「台湾の国際活
動に対する中国の圧力の度合いと頻度が強まっている」と報告したばかりだが、そのような中に
あって米国の台湾への対応は確実に変わりつつあるようだ。中央通信社の記事を下記に紹介したい。
駐米代表、米国務長官と公の場に 台米間で異例=打倒IS有志連合会合
【中央通信社:2017年3月23日】
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201703230005.aspx
(ワシントン 23日 中央社)駐米国台北経済文化代表処の高碩泰代表(大使に相当)は22日、米
国務省で行われた過激派組織「イスラム国」(IS)打倒を目指す有志連合の閣僚級会合に出席し、
ティラーソン米国務長官やその他67の参加国・地域・組織の代表者とともに集合写真を撮影した。
中華民国(台湾)の駐米官僚と米国務長官が公の場に同時に姿を見せるのは異例。
米国主導の有志連合が2014年に結成されて以来、人道支援における台湾の貢献は重視されてき
た。オバマ前大統領はIS掃討作戦のアジア太平洋地域の有志国・地域として、台湾を名指ししたこ
ともある。
だが、台米関係は「非公式」とされており、米国側はこれまで台湾とのやり取りにおいて控えめ
な姿勢を維持してきた。かつては台湾側の米官庁への立ち入りが禁止されるなど制限も多数設けら
れていた。
集合写真撮影の会場で、米国務省は高代表の立ち位置に「台湾」と表示。一方、同省提供の参加
者リストに記載された高代表の肩書は「駐米国台北経済文化代表処代表」とされた。会合の会場に
は各参加国・地域の旗が掲げられたが、同省の公表資料では中華民国国旗は見当たらなかった。
写真撮影の終了後、高代表は日本の岡野正敬駐米公使に歩み寄り、握手を交わした。両氏は会話
をしながら会場を後にした。
この有志連合に中国大陸は参加していない。
(鄭崇生/編集:名切千絵)