<来年1月の総統選に最大野党・国民党の公認候補として出馬予定の韓国瑜高雄市長が今秋に日本を訪問する。高雄市内で22日、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長と面会し、訪日を要請された。韓氏が同日、報道陣に対して明らかにした。>
日本台湾交流協会は公益財団という民間団体ではあるものの、駐台湾日本大使館に相当する「日本台湾交流協会台北事務所」や総領事館に相当する「高雄事務所」の上部機関だ。準公的機関と言っていい。
そのトップの会長が総統候補者を日本に招請することなどあり得ない。不可解な記事だった。案の定、これは韓國瑜氏自身が流したフェイクニュースだったことが判明した。下記に中央通信社の続報をご紹介したい。
このような嘘は勘違いではすまされない。意図的な嘘を流す、すなわちフェイクニュース以外のなにものでもない。韓國瑜氏は自ら訂正することなく、高雄市政府に訂正させたという。
韓國瑜氏が大橋会長に謝罪したというならまだしも、その形跡もない。自ら吐いた言葉だ。自ら訂正するのが責任ある人間の取る態度ではないのか。こういう小手先の小さな嘘を吐く人間、事後対応のできない人間は信用するに足らない。
さらに、中央通信社の続報にも疑問が残る。記事には高雄市政府の説明として「双方は協議の下で今秋の訪日を決定した」とある。総統選の一方の候補者の来日について、日本台湾交流協会のトップと協議して決定するなどあり得るのだろうか。この説明もおかしい。不可解な思いが消えない。単に「来日するなら歓迎しますよ」という歓迎の意を、いかにも「協議」とか「決定」という表現で、ことさら日本台湾交流協会が肩入れしているよう糊塗しているのではないか。眉に唾して聴き置きたい。
—————————————————————————————–日本の対台湾窓口機関「先に韓氏が言及」 自発的な訪日要請を否定【中央通信社:2019年7月25日】
(台北 25日 中央社)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長から訪日を要請されたと韓国瑜高雄市長(国民党)が発言していたことに対し、同協会は24日、訪日を検討しているとの話が先に韓氏からあり、それに対して大橋会長が歓迎を表明したと説明した。
韓氏は22日、高雄市内で大橋会長と面会した後、報道陣に対し、大橋会長から訪日要請があり、受け入れを表明したと語っていた。
これに関して台湾の一部メディアは24日、大橋会長が与党・民進党に対し、自発的に韓氏に訪日を要請したわけではないと個人的に伝えていたと報じた。
報道を受けて高雄市政府は、訪日を歓迎するという対話は通訳を介した対談の中で確かにあり、議事録にも記録されていると説明。韓氏が具体的なスケジュールを示した後に大橋会長は歓迎の意を表明し、双方は協議の下で今秋の訪日を決定したと明らかにした。
(顧セン、王淑芬/編集:名切千絵)