http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20111020104.htm
写真:台湾の地図を広げ、磯田技師の足跡を追う金さん(右から2人目)と「友の会」幹
部=金沢ふるさと偉人館
「八田(はった)技師夫妻を慕い台湾と友好の会」は19日までに、日本統治時代の台湾・
台中に農業用水「白冷圳(はくれいしゅう)」を引いた磯田謙雄(のりお)技師(金
沢出身)の調査を始めた。磯田技師は同郷の八田與一(よいち)技師の下で台湾の水利事
業に尽力した経緯があり、「友好の会」は台中市民とも情報交換し、来年10月の白冷[土
川]通水80周年を共に祝いたいとしている。
「友の会」の中川外司(なかがわ・とし)事務局長、中川耕二世話人、西岡滋理事に加
え、金沢ふるさと偉人館に磯田技師の資料を提供した台湾出身の金湘斌さん(金大大学院
人間社会環境研究科博士後期課程2年)が同館に集まり、交流推進を申し合わせた。
磯田技師については中川世話人が八田技師の追悼文集の中で名前を見つけ、昨年11月の
四高同窓会報「北辰」で一部を紹介した。これまでに磯田技師の家族と文通し、家系図な
どを作成している。
金さんは日本統治時代の台湾の体育教育を専門とする。台湾の文献館などに残る書類か
ら磯田技師に関する資料を集めた。これまでに磯田氏の履歴書や白冷圳通水式の報告
書などを入手している。
白冷圳の恩恵を受ける台中市新社区の住民が磯田氏の情報を求めていることから、「友
の会」としても調査に全面協力する。
台湾の許世楷前駐日代表によると、台中では若い世代からも金沢との交流を望む声が上
がっているという。中川事務局長は「金沢と台南は小学生にも交流が発展している。これ
からは若い世代に日台友好の輪を広げたい」と述べ、来年の通水80周年式典に向けて派遣
団を計画している。