それから4年後の昨日、内政部主催のシンポジウムに登壇し、首相に相当する行政トップとして鄭南榕を讃えつつ言論の自由を守る政府の方針を改めて表明、現在の中国は一党独裁体制下にあった過去の台湾と同じだと指摘したという。
行政院長は、総統や副総統が不在の時は臨時総統をつとめる重責をになう。その立場において、頼清徳氏は行政院長に就任した直後の2017年9月26日、立法院の本会議で堂々と「私は台湾独立を主張する政治家だ」と答弁している。同時に「台湾の将来は住民投票で決める必要がある」とも述べている。
鄭南榕の遺志は確実に頼清徳・行政院長に受け継がれている。
—————————————————————————————–頼行政院長、言論の自由推進改めて表明 政府の成果アピール【中央通信社:2018年4月3日】
(台北 3日 中央社)「言論の自由デー」の4月7日を前に、内政部(内務省)は3日、言論の自由について意見を交わす討論会を開いた。出席した頼清徳行政院長(首相)は、過去の独裁政権下では政府は言論の自由の殺人者だったと言及した上で、民主主義の時代ではその推進者としての役割を担うべきだとし、言論の自由を守る政府の方針を改めて表明した。
4月7日は民主化運動家の鄭南榕氏が1989年、言論の自由を訴えて焼身自殺した日。政府は2016年、同日を言論の自由デーに制定した。
頼行政院長は、過去の権威主義的な統治においては、集会やデモ行進を行う自由がなく、話す言語などが制限されていたことに言及。2016年5月に蔡英文総統が就任して以降、過去の政権の過ちを正す「移行期の正義」や、先住民言語や客家語を国家の言語として認める法案の成立などが推進されてきたことに触れ、言論の自由の促進における政府の成果をアピールした。
また、言論の自由を確立するために力を注いだ全ての人に感謝するとした上で、特に鄭氏の犠牲はその重要さを社会に喚起したと指摘。民主化が進んだ時代では誰でも国家の将来について発言でき、台湾独立を主張することも許されると語った。
中国大陸の言論の自由についても言及した。現在の中国大陸の社会は、一党独裁体制下にあった過去の台湾と同じだとし、中国大陸に言論の自由を保障するよう呼び掛けることが必要だと述べた。
(顧セン/編集:楊千慧)