訪台の自民党青年局一行がコロナ大流行の中を李登輝元総統のお墓に献花

 自民党の青年局(小倉將信局長)が5月3日から7日まで、3年ぶりに台湾研修を実施しています。本誌でもお伝えしたように、参加した5人の国会議員は全員が衆議院議員で、小倉將信(おぐら・まさのぶ)局長を団長に、鈴木憲和(すずき・のりかず)局長代理、鈴木隼人(すずき・はやと)国際部長、山口晋(やまぐち・すすむ)国際部副部長、西野太亮(にしの・だいすけ)国際部副部長の5人、そして日本青年会議所幹部らの11人が参加しています。

 台湾の報道ぶりは「今回の訪問団の団長である、小倉将信衆議院議員は、立法院(国会)が昨年12月に行った「開放国会論壇(開かれた国会フォーラム、Open Parliament Forum)」にリモート参加。また、ニカラグアが中華民国(台湾)と国交断絶した際にはツイッターで台湾にエールを送るなど、具体的な行動で台湾を支持しています。山口晋衆議院議員の夫人は、台湾出身者です」(5月3日付け「台湾国際放送」)という紹介からも分かるように、かなり好意的に取り上げています。

 台湾は現在、1日の感染者が3万人に迫るコロナの大流行期に当たっていますので、夜はホテルから一歩も出られず、夜市を散歩してそこらで一献というわけにもいかないようですが、着々と日程をこなしているようです。

 到着した3日夜は、呉[金リ]燮外・交部長が迎賓館として使われている旧台湾総督官邸の台北賓館に一行を招いて夕食会を行いました。4日午前は、希望していた新北市の五指山軍人墓地(國軍示範公墓)に李登輝元総統の墓参を行って献花し、李登輝基金会の李安[女尼]董事長は遺族を代表して一行をお迎えしたそうです。

 4日午後には行政院の蘇貞昌・院長を表敬訪問し、本日は頼清徳・副総統と蔡英文・総統を表敬訪問しています。

 下記に、李登輝元総統の墓参をした折の写真を掲げ「小倉将信青年局長が李氏を記念する図書館の設立に向けた準備について関心を寄せ、開設後に訪れたいとの考えを示したという」と伝える中央通信社の記事をご紹介します。

—————————————————————————————–自民党青年局、李登輝元総統の墓参り 蘇行政院長や呉外相とも意見交わす【中央通信社:2022年5月4日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202205040010

 (台北中央社)自民党青年局の議員団は4日、李登輝(りとうき)元総統が眠る北部・新北市の五指山軍人墓地を訪れ、献花した。一行は3日から台湾を訪問中で、蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)を訪問した他、呉[金リ]燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)が開いた夕食会にも出席し、それぞれと意見を交わした。

 李登輝基金会は4日午後の報道資料で、一行の墓参りに謝意を示した。また、議員団を率いる小倉将信青年局長が李氏を記念する図書館の設立に向けた準備について関心を寄せ、開設後に訪れたいとの考えを示したという。

 一行は4日午後、蘇氏と行政院(内閣)庁舎で面会。蘇氏は、2011年から台湾が続けていた福島など5県産食品の禁輸を解除したことなどに言及し、台湾は国際的な経済圏に参加する決意と用意があると言明。環太平洋経済連携協定(TPP)加入に対する日本からの支持を期待すると語った。小倉氏は日本食品の輸入制限の緩和に感謝し、台湾のTPP加入を支持する姿勢を示した。

 台湾に到着した3日夜には、呉?燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)が台北賓会で開いた夕食会に臨んだ。

 外交部(外務省)の報道資料によれば、呉氏はロシアのウクライナ侵攻や中国軍が台湾海峡で軍事演習を繰り返していることに触れ、権威主義の国家がインド太平洋地域において脅威となっていると指摘。日本が台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し強調していることに感謝した。小倉氏は、ウクライナ情勢に言及し、台湾で同じことが起きるのは決して許されないとし、台湾と日本の協力の強化を願う立場を示した。

 一行は5日、蔡英文(さいえいぶん)総統と会談する予定。

(温貴香、葉素萍、黄雅詩、?于榛/編集:楊千慧)

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