米国がWHO事務局長に台湾の年次総会へのオブザーバー招待を要請

 史上希にみる激戦となって、開票問題で大揺れに揺れる米国の大統領選挙中にもかかわらず、米国政府は、9日から始まる世界保険機関(WHO)年次総会(WHA)に台湾をオブザーバーとして招待するようWHOのテドロス事務局長に求める声明を発表した。

 ロイター通信は「WHOはこれまで台湾の参加について加盟国の賛同が得られていないため、台湾を招待する権限はないとしていた」と報じ、朝日新聞も「WHOで法務を担当するスティーブ・ソロモン氏は6日の会見で、『オブザーバー参加を認めるかどうかは加盟国の問題だ』とする従来の主張を繰り返し、『加盟国は1972年の総会で『中華人民共和国がWHOでの中国の唯一の正当な代表だ』とする決議を可決しており、決議はいまも有効だ』とも述べた」と伝えている。

 それなら、なぜ台湾の馬英九政権時代に台湾を招待できたのか。加盟国の賛同を得られたからと答えるのだろうが、加盟国とは中国と中国マネー─になびく国々であることは明々白々のことだ。それが中国に支配されているWHOの実態だ。

 中華人民共和国が中国の正当な代表ということも、実はWHOにとっては関係ない。なぜなら、国であろうと地域であろうと、医療の空白地帯をなくすことがWHOの使命であり目標だからだ。WHOは使命を果たすためのWHOに戻るべきだろう。先進国で台湾のオブザーバー参加に反対する国はない。

—————————————————————————————–米政府、WHO事務局長に台湾の総会参加を要請 オブザーバー参加を働きかけ【ロイター通信:2020年11月6日】

[ジュネーブ6日 ロイター]  在ジュネーブの米政府代表部は6日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に対し、来週開催される世界保健総会に台湾を招待するよう求めた。

 「台湾との有意義な協力関係を強化するようWHOに求める。(総会への招待が)その方向に向けた必要なステップになる」としている。

 米政府はWHOが中国寄りだとして、WHO脱退を計画。台湾は米国の支持を得て、総会へのオブザーバー参加を働きかけている。

 WHOで法務責任者を務めるスティーブン・ソロモン氏は記者会見で「加盟国は台湾がオブザーバーとして世界保健総会に参加することを引き続き疑問視している」と述べた。WHOはこれまで台湾の参加について加盟国の賛同が得られていないため、台湾を招待する権限はないとしていた。

 総会はバーチャル形式で開催され、加盟194カ国が参加する。新型コロナウイルスの流行など公衆衛生上の問題を協議する見通し。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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