磯田謙雄技師を讃える「白冷[土川]文化節」が台中市新社区で開催

 台湾では今でも尊敬される日本人は多い。烏山頭ダムを造った八田與一をはじめ、児玉源太郎、後藤新平、新渡戸稲造、羽鳥又男、羽鳥重郎、新井耕吉郎、杉浦茂峯、森川清治郎、志賀哲太郎、芝山巌事件の六士先生など、数え上げれば切がない。10人を超える。最近では「水道の父」瀧野平四郎も加わる。

 台中の人々に“命の水”をもたらして「水利の父」「白冷[土川]の父」と称えられている磯田謙雄(いそだ・のりお)技師もその一人だ。

 台中市の新社区に逆サイフォンの原理を利用し、渓谷を越える全長約17kmに及ぶ農業用の水路 白冷[土川](はくれいしゅう)を1932年10月14日に完成させている。

 完成から86年目の2018年10月14日、当時の林佳龍・台中市長をはじめ磯田技師の出身地である金沢から野口弘・金沢市教育長や磯田技師令孫の松任谷秀樹氏などが参列し、磯田謙雄像の除幕式が行われている。

 2001年からは毎年10月に「白冷[土川]文化節」を開催し、磯田技師の功績をたたえている。「Taiwan Today」誌が今年の模様を伝えているので下記にご紹介したい。

 なお、本会では台湾に河津桜の苗木を毎年のように贈っているが、実は台日文化経済協会(杜恒誼会長)にお贈りした河津桜は、台日文化経済協会がそのまま台中市に寄贈し、白冷[土川]が通るここ新社区内に植えられている。

 台日文化経済協会には600本の河津桜をお贈りする約束で、2018年3月に第1弾の200本を寄贈し、翌2019年4月に第2弾の200本を寄贈している。昨年と今年は台湾側の都合で見送りましたが、最後の第3弾となる200本は来年(2022年)1月にお贈りする予定だ。間もなく「桜募金」を始める予定ですので、ご協力のほどよろしくお願いします。

—————————————————————————————–農業用水路「白冷?」が竣工89年、日本とオンライン交流も【Taiwan Today:2021年10月18日】https://jp.taiwantoday.tw/list_photo.php

 台湾中部・台中市新社区の台地に水を注ぐ全長16.6キロメートルの農業用水路「白冷[土川](はくれいしゅう)」が、竣工89年を迎えた。

 台中市白冷?水流域発展協会は17日、毎年恒例の「白冷[土川]文化節(=白冷[土川]の通水に感謝する記念祭)」を開催し、「白冷[土川]」を建設した石川県金沢市出身の土木技師・磯田謙雄の銅像に花を手向けた。

 毎年10月に行われる「白冷[土川]文化節」は2001年にスタート。今年で21年目を迎える。午後には新社高中(=高校)で台湾と日本のオンライン交流も行われた。台湾からは台中市文化局、新社区長、白冷?水流域発展協会理事長、新社高中の校長、地元の関係者らが出席し、日本にいる磯田謙雄の子孫、金沢市長、市議会議員らとオンラインで旧交を温めた。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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