本誌10月23日号で泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表の離任についてお伝えしたばかりだが、後任は、駐中国日本大使館勤務を振り出しに外交官をつとめてきた前ペルー大使の片山和之(かたやま・かずゆき)氏が11月中に着任することになった。
昨日の時事通信は「泉裕泰代表は11月上旬に退任し、片山氏が同月中に就任する見通し」と報じている。
片山大使は1960年5月5日、広島県福山市生まれ。1983年に京都大学法学部卒業後、外務省入省。香港中文大学、北京語言学院、北京大学に留学後、スタンフォード大学大学院、ハーバード大学大学院に留学し、修士号を取得。1987年6月に駐中国日本大使館二等書記官を振り出しに、外務省アジア局中国課首席事務官や外務省大臣官房外務報道官、内閣官房副長官秘書官、駐米日本大使館一等書記官・参事官などを歴任。駐マレーシア日本大使館公使のときにマラヤ大学大学院博士課程に留学し博士号を取得。デトロイト総領事、上海総領事、外務省研修所所長を経て、2020年7月に 駐ペルー特命全権大使に就いている。
主な著書に『ワシントンから眺めた中国』(東京図書出版会、2003年)や『対中外交の蹉跌─上海と日本人外交官』(日本僑報社、2017年)などがある。
なお、垂秀夫・駐中国大使の後任に駐インドネシア大使だった金杉憲治(かなすぎ・けんじ)氏が任命されているが、片山大使とは外務省の同期だという。
台湾は来年1月に総統選と立法委員選のダブル選挙が行われ、その相貌が大きく変わる。良好といわれる日台間ではあるが、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加盟問題や台湾有事の際の安全保障連携や邦人退避問題なども抱えている。
日本の顔となる台湾交流協会台北事務所代表として台湾の新政権とどのように渡り合うのか、中国と米国にも詳しい新代表の手腕に期待がかかる。
—————————————————————————————–次期駐台湾代表に片山氏=前ペルー大使、来月着任へ【時事通信:2023年10月26日】https://www.jiji.com/jc/article?k=2023102600588&g=int
【台北時事】日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)の次期代表に、片山和之・前ペルー大使が着任することが26日、分かった。
複数の関係者が明らかにした。泉裕泰代表は11月上旬に退任し、片山氏が同月中に就任する見通し。
片山氏は1983年に外務省入りし、上海総領事、外務省研修所長を歴任。2020年7月にペルー大使に就任し、今年10月に依願免職していた。
日本は72年に台湾と断交して以降、公益財団法人の同協会を窓口に実務的な交流を継続してきた。正式な外交関係が無いため、大使に相当する代表は外務省退官後に就任することが慣例になっている。
片山和之氏(かたやま・かずゆき) 京大法卒。60年5月生まれ、63歳。広島県出身。
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