を含む12ヵ国語で尖閣諸島を「日本固有の領土」とする広報フライヤー(チラシ)と動画
を発表した。
◆ 日中関係(尖閣諸島をめぐる情勢)[平成25年12月11日] http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html
これに対し、台湾の外交部は「地域の安定に益しない」と反発しているようだが、日本
は民主党であれ自民党であれ、政権が替っても「尖閣諸島が日本固有の領土であることは
歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配している。尖閣諸島
をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」という立場にブレはなく、一貫
している。台湾の李登輝元総統や台湾団結聯盟も日本領有論を支持している。
中国や中華民国の主張には根拠がないものの、いささか厄介なのが中国だ。何が厄介か
というと「棚上げ論」だ。日本の中には、少数だが中国の主張する尖閣諸島棚上げ論を支
持し同調する向きもあるからだ。
この中国の「棚上げ論」に対し、日中平和友好条約の締結にも携わった元外務省アジア
局長で交流協会台北事務所代表(駐台湾日本大使に相当)をつとめた池田維(いけだ・た
だし)氏は、10月5日付けの読売新聞「論点」に寄稿し、日本は棚上げ論に合意したことは
なく、中国の一方的な言い分に過ぎないと論駁し、大きな反響を呼んだ。
その後、池田氏は英文でも同様の見解を米国の専門誌「DIPLOMAT」に寄稿、11
月26日付で掲載された。このことを、池田氏から「英文でまとまったものがないので、予
想外の種々の反応がありました」とお知らせいただいた。全文は下記をお読みいただきたい。
◆ Getting Senkaku History Right By Tadashi Ikeda | The Diplomat[2013/11/26] http://thediplomat.com/2013/11/getting-senkaku-history-right/?allpages=yes
本誌で池田氏の読売新聞に寄稿した駁論を紹介したとき、「外務官僚出身者には秘守義
務がある。しかし、その義務をまっとうした上で正論を堂々と述べる外務官僚出身者は少
ない。池田大使の発言が貴重な所以である」と紹介したが、英文で寄稿されたことで、改
めてその感を深くしている。
いずれ池田氏には「台湾セミナー」などの本会の催しにおいて、この「尖閣の棚上げ合
意存在せず」をテーマにお話しいただきたいと考えている。