党員は政党としての要件を満たす100人を上回る111人だったというが、この結成大会までに内政部に政党結成の申請をしておらず「柯・市長の側近で、『台湾民衆党』の発起人でもある、蔡壁如氏は、党の結成大会終了後、ただちに内政部に向かい、申請書を提出」(台湾国際放送)したそうだ。
また、鴻海精密工業前董事長の郭台銘氏との連携があるのか注目されているが、結成大会には郭台銘氏と国民党の王金平・前立法院長が祝いの花を寄せ、鴻海精密工業傘下にある永齢基金会の劉宥彤・執行長が出席したが、郭氏の代理ではないという。
台湾紙「蘋果日報」は8月6日付で、柯文哲氏と郭台銘氏が総統・副総統候補の場合は31.3%で、韓国瑜氏(中国国民党)27.1%と蔡英文氏(民進党)24.6%の支持率を上回るとする世論調査を発表した。
ただ、韓氏にしろ蔡氏にしろ、副総統候補は決まっていない。また、郭氏は党公認候補の予備選で敗退してからこれまで韓氏の支持を表明せず、柯氏からの問い合わせに応えているのかどうかも明らかになっていない。単独出馬もありえる。この世論調査は、柯文哲氏と郭台銘氏の動向に注目が集まっていることの証左という意味合いが強いように思う。
下記に、「台湾民衆党」の結成大会について伝える台湾国際放送の記事および動画をご紹介したい。
—————————————————————————————–柯・台北市長、「台湾民衆党」立ち上げ【台湾国際放送:2019年8月7日】動画:https://jp.rti.org.tw/news/view/id/91879
ハッピーバースデー
誕生日の日、8月6日に柯文哲・台北市長は「台湾民衆党」を立ち上げると共に、党主席にも就任しました。
「柯P 柯P 柯P」
「台湾民衆党」の党首を兼務する、柯・台北市長は、あいさつの中で、新政党を結成する目的について、「みなの力を結集して台湾を変えようとしている。この政党の発足により、国民に今の与党・民進党と最大野党・国民党のほかに、もう一つの選択肢を与えたい。」と説明しました。
「台湾民衆党」の立党宣言・綱領には「台湾を政党の名前にし、国民を以って本となす」ことが書かれ、「政府が政策を推進する際、『民意、専門性、価値』の三項目を基準とすべきだ」と主張しています。最も特殊なところは、党員の普及化政策に基づき、二重党籍が許されるほか、党員からは党費を一切徴収せず、柔軟性のある政党と強調することです。
柯・台北市長は「本日は準備会議のみだ、正式な政党になるには内政部が発行する許可証が必要だ」と説明しました。
柯・市長の側近で、「台湾民衆党」の発起人でもある、蔡壁如氏は、党の結成大会終了後、ただちに内政部に向かい、申請書を提出しました。
蔡壁如氏は、「内政部に来る前ちゃんと調べた。『台湾民衆党』という政党名は登録されていない」と説明しました。
この日、柯文哲・市長の両親も恩師も出席しました。
ホンハイ精密工業傘下の永齢基金会の劉宥彤・執行長も出席しましたが、自分は郭台銘・前会長の代表ではないと強調しました。劉・執行長は「個人名義でお祝いに来た」と説明しました。
会場には若い支持者が大勢いますが、台湾政界の大物の姿が見られませんでした。柯文哲・市長は政党の結成を祝う式典終了後、特に支持者らと握手を交わしました。
柯文哲・市長:「今後も引き続き努力する、ありがとうございます。」
しかし、会場の外には台聨党や台湾国などの野党勢力が集まり、大声で抗議していました。柯・台北市長はまるで第三勢力のトップのような勢いでした。しかし、いかにして選挙戦で民進党と国民党との競争からぬきんでるかが今後の課題になるでしょう。
(編集:王淑卿)