昨日、李登輝前総統が第1回後藤新平賞を受賞し、6月1日に東京・六本木の国際文化会
館岩崎小弥太記念ホールで行われる授賞式には「後藤新平と私」と題して講演される予
定だとお伝えしました。
その際、5月3日以来の来日報道がありましたので「これで李登輝前総統の来日は俄然
真実味を帯びてきた」とコメントしましたが、来日の日程などを今朝の産経新聞が伝え
ています。
一方、八田與一技師の墓前祭取材のために訪台していた北國新聞も、昨日、李登輝前
総統に取材し、「今年五月終わりから六月初めに予定している訪日について『今年は東
京から秋田ぐらいまで『奥の細道』を訪ね、来年、金沢を訪れたい』と語った」と伝え
ています。
産経新聞と北國新聞の報道内容はピッタリ符合します。李登輝前総統の来日は確実の
ようです。
日本李登輝友の会の設立目的の一つは、趣意書に謳っているように「李登輝前台湾総
統の来日を関係各所に働きかけ、念願の『奥の細道』散策を実現する」こと。日本李登
輝友の会を設立して5年目の今年、いよいよこの目的が達成されようとしています。なん
とも嬉しいことです。
つきましては、会員の皆さまのご支援ご協力を仰ぎ、李登輝前総統の来日を成功裡に
導くことで日台交流の実を上げ、また、文化交流を主とした新しい日台関係を築くため
の一里塚としたいと切願しておりますのでよろしくお願いします。
なお、産経新聞の記事では後藤新平賞授賞式における講演が行われるのかについては
触れていないなど、まだ不明な点がいろいろあります。本誌では、詳細な内容が判明し
次第紹介してまいります。下記に産経新聞と北國新聞の記事をご紹介します。
(メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬)
■本誌転送のお願い
産経新聞のこの来日記事は地方版には掲載されていないこともありますし、できるだ
け多くの方に知っていただきたく、本誌記事をお知り合いの方などへの転送をお願いし
ます。
李登輝氏 30日から訪日
【5月10日 産経新聞]
【台北=長谷川周人】台湾の李登輝前総統が5月30日から11日間、観光を目的に私人の
立場で訪日する。6月9日までの滞在中、李氏が希望していた「奥の細道」ゆかりの地を
訪ねるほか、現役を退いてから初めて東京に立ち寄り、講演と記者会見を行う。
今回の訪日は、中嶋嶺雄・国際教養大学学長の招請に応じたもので、中嶋学長による
と、李氏は30日に成田から東京入りする。日光を経由して2日に仙台に入り、宮城、岩手、
秋田の3県で、「奥の細道」ゆかりの地を歩き、6日に秋田市内の同大学で講演する。
また7日夜は都内のホテルで、「2007年以降の世界情勢」をテーマに学術的見地から講
演を行い、その後の晩餐会では政財学各界の要人と懇談。
離日する9日午前には記者会見に臨む方向で最終調整を進めている。
「金沢再訪は来年」台湾・李登輝氏、元気 「奥の細道」訪問、今年は秋田まで
【5月10日 北國新聞】
台湾前総統の李登輝氏は九日、台北市郊外で北國新聞社の取材に応じ、今年五月終わ
りから六月初めに予定している訪日について「今年は東京から秋田ぐらいまで『奥の細
道』を訪ね、来年、金沢を訪れたい」と語った。
李氏は来年、奥の細道の後半部分を旅する中で金沢へ足を運びたいとし、「金沢では
八田與一、鈴木大拙、西田幾多郎について語りますよ」と述べ、講演したい意向を示し
た。
昨年、体調を崩し、五回入院したという李氏はこの日、「(心臓の)カテーテル手術
を受け、非常に元気。心臓のポンプの力が強い。まだ何年か持ちますよ」と力のある声
で語った。
写真:一行に元気な姿を見せた李前総統(右から2人目)=台北市郊外