台湾から「日本人の心」 李登輝氏が金沢・花園小などに自筆の色紙贈る
【4月8日付 北國新聞】
【4月8日付 北國新聞】
台湾前総統・李登輝氏自筆の色紙が七日、日台友好促進石川県議会議連(会長・長井賢
誓県議)を通じて、台湾でダム建設に尽くした八田與一技師の母校、金沢市花園小に贈ら
れた。色紙には、李氏が”日本人の心”と表現する「誠實(せいじつ)自然(じねん)」
という言葉が記されており、新しい学校生活を送り始めた子供たちへのメッセージとなっ
た。
色紙は今年一月、石川県議会の視察団が台湾で李氏と会談した際に揮毫(きごう)を依
頼した。視察団から学校に贈るのが目的だと聞いた李氏は「子供たちの教育になる」と話
しながらペンを走らせた。
日本統治下の台湾で生まれ、二十二歳まで日本人として育った李氏は「誠實自然は日本
人の心だ。日本人は世界で一番、誠を持っているから、それを忘れてはいけない」と説き
、八田技師や金沢出身の仏教思想家・鈴木大拙から受けた影響の大きさを語っていた。
色紙は学校で展示してもらうため、李氏の写真などと一枚のパネルに仕立てられた。こ
の日は、長井会長が花園小を訪れ、架谷純校長と児童の代表に色紙のパネルを手渡した。
花園小は、八田技師が建設した烏山頭(うざんとう)ダム近くの嘉南(かなん)小と友
好提携を結び、教室には台湾の小学生から贈られた絵などを飾っている。李氏の色紙も一
緒に展示し、八田技師や台湾の学習に活用する。
架谷校長は、李氏からの言葉が記された色紙を受け取り、「子供たちには、優しくて誠
実な気持ちを持ってほしい」と話した。
李氏の色紙は森本中、森本、三谷、不動寺、朝日の各小にも贈られた。