「集団的自衛権に関する現行憲法解釈を修正せよ」と「台湾との自由貿易協定(FTA)を早期
に締結せよ」を可決し発表した。
李登輝元総統は5月15日、台湾の「三立テレビ」に出演し、自由と民主は台湾という国家
の中核だと強調するとともに「中国を怖がるな」と訴え、本会の「政策提言」を紹介、
「台湾が中国に取られたら、日本の安全も脅かされる。日本の与那国島からは台湾が肉眼
で見える。日本にとって台湾は生命線である」と指摘された。
それを5月16日付の「自由時報」が伝えていたので、その邦訳を紹介したい。また、貧富
の格差問題や教育問題にも触れ、「日本の統治時代の教育が台湾人に時間や法律を順守す
る概念を植え付けた」と高く評価された。それを報道する記事も下記に紹介したい。
◆本会が集団的自衛権と日台FTAに関する「政策提言」を発表
http://melma.com/backnumber_100557_5546677/
◆「民主化していない中国には行きたくない」李登輝元総統が発言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120517-00000028-rcdc-cn
◆台湾前総統「日本の教育が台湾人に法律遵守の概念もたらした」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120517-00000035-scn-cn
中国を怖がるな 李登輝元総統「自由民主は台湾の中核」
【自由時報:2012年5月16日】
〔記者林恕暉:台北報道〕 昨日、李登輝元総統は三立テレビのインタビューに答え、自
由と民主は台湾という国家の中核だと強調した。また「一つの中国や民族主義はもう昔の
ことだ」「台湾は民主の国だから、民主的な考え方とやり方は大切だ」と述べた。
中国を訪問するかとの質問には、今の状況だったら行きようがないと述べた。「一生の
うちに4つのところへ行ってみたい。それは『モーセの出エジプト記に出てくる路』、『日
本の奥の細道』、『孔子が列国を周遊した路』、『シルクロード』の4ヵ所だ」と言い、こ
れまで前の2つしか行ったことないそうだ。「中国には自由と民主がないから行かない。行
ったらどうなるか分からないんだ」。李氏は中国から誘いがあったが「信用しない」と述
べた。
李氏によると、アメリカはこの2年間で変わってきたという。以前は台湾に武器を売らな
かったが、今はF16C/Dを売るつもりだ。また、中東にいる軍隊は16万人も減り、太平洋
エリアで9万人増えるという。アメリカ政府は今の南シナ海や台湾、日本と韓国の安全保障
問題に大きな関心を抱いているため、中国は勝手にしようがないとも述べた。
「1996年に総統選挙をやっていたとき、中国からミサイルが来て、アメリカは航空母艦
隊を送ってくれた。軍事力と言えばアメリカは世界一だから、中国はまだそこまでではな
く勝手に手を出せない。南シナ海問題も同様だ」
李氏によれば、北朝鮮が韓国の艦隊を攻撃したときもアメリカは航空母艦隊を派遣し
た。米国の台湾関係法は曖昧だが、中国は台湾に手を出したいと考えている。しかし、私
たちは怖がらなくていいということを分かって欲しいと述べるとともに、中国には「反国
家分裂法」があり、1971年、毛沢東は韓国、日本、南シナ海と琉球は全て中国領だと称し
たが、この発言は無効だと指摘した。
李氏はまた、アメリカと日本とは米日安保条約を結んでいて、日本李登輝友の会は日本
政府に「日本は集団的自衛権を行使することで、台湾を日米安保体制下に入れるべき」
「日本は台湾との自由貿易協定(FTA)にサインすべきだ」という台湾に有利な意見を
提出したことを指摘、「日本人は台湾が中国に持っていかれるのではないかと心配してい
る。台湾が中国に取られたら、日本の安全も脅かされる。日本の与那国島からは台湾が肉
眼で見える。日本にとって台湾は生命線である」とも指摘した。
(翻訳:本誌編集部)