月刊「正論」3月号に渡辺利夫会長、王明理理事、藤重太理事の3氏が寄稿

 現在発売中の月刊「正論」3月号は特集として「いまこそ日台関係」を組み、7人の執筆者で構成していますが、そのうち渡辺利夫・会長、王明理・理事、藤重太・理事の3人が本会役員です。いずれも力作です。

・正論 最新号:2022年3月号 (2022年2月1日発売) の目次 https://www.fujisan.co.jp/product/1482/new/

 渡辺利夫会長の「『一つの中国』に騙されないために」では「日中共同声明」を取り上げ、中国の唱える「一つの中国」なる主張に日本は従う謂れがないことを『広辞苑』の誤記を指摘しつつ明快に解き明かしています。

 そして「日本がどのような関係を台湾と結ぶのか、これもフリーハンドであると考えなければ平仄があいません」と説き、「日本がやるべきことはたくさんあると思いますが、私は最低限、『日本李登輝友の会』が提唱している『日台交流基本法』を成立させて欲しいと考えます」と述べられています。

 渡辺会長のこの論考には、台湾の法的地位はどのようなものなのか日本の公的な立場についても言及しており、本会役員や会員、台湾関係者全員が共有すべきとても重要な「台湾認識」が盛り込まれています。

 王明理・理事の「『国家百年の計』は台北高校にあり」は、今年、創立100周年を迎える台北高等学校をテーマに、ご尊父の王育徳氏の『昭和を生きた「台湾青年」』などから、日本が統治していた台湾の「地に根付き、今日の台湾の底力となり、日台関係の礎となっているものは間違いなく教育である」と述べ、李登輝元総統などの台北高校時代を紹介しています。

 また、「もう一つの忘れてならない要素は、海外に出た台湾人による台湾独立運動の成果である」として、お父上たちが日本で始めた台湾独立運動について詳しく述べ、「百年前の台北高等学校の設立が今日の台湾を造ったと考えれば、日本人も百年前の先達の先見の明を大いに評価すべきだろう」と述べられています。

 中国は「旧制高校のような哲学を学ばせる機会を持たない」から、「李登輝のような意識の高い人物が現れて」人々の真の幸せのために政治を行ってくれることは叶わぬ夢だろうとも述べていて、クスリと笑いつつ、なるほどと納得させられました。

 藤重太・理事の「半導体育てた台湾政治の覚悟」は、昨年11月9日、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に新工場を建設することを発表したことを取り上げ、「日本は新しい技術大国としての生き残り/生まれ変わりを模索できる」「いま日本の産業界を苦しめている部品不足は解消され、研究開発や商品開発の分野でも大きなチャンスが産まれるはずだ」と述べ、「日本にその半導体の生産基地ができることは朗報以外の何ものでもない」と述べています。

 また、台湾がなぜ半導体産業に力を入れてきたのかについて「経済力強化こそ国際社会の中で立場の弱い台湾が様々な脅威や危機から自身を守り、生き残ってゆく唯一の方法であることを知っている」からだと述べ、いかに力を入れてきたかを、台湾経済部系シンクタンク「資訊工業策進会」顧問として藤氏自身が体験したことなどとともに紹介しています。

 この正論への論考は、本会の「メールマガジン日台共栄」で紹介した藤重太氏が「PRESIDENT Online」に寄稿された論考2本とも重なりますが、改めて下記に「PRESIDENT Online」の論考2本をご紹介します。

・��ぢ台湾の決断にむしろ感謝すべき��ぢ九州の半導体工場誘致に4000億円の血税が使われた本当の意味 ─ 新生��ぢ技術大国日本��ぢが生まれる好機 【PRESIDENT Online:2022年2月5日】 https://president.jp/articles/-/54322?page=1

・かつて世界一だった日本の半導体業界が��ぢいま世界一の台湾のTSMCから学ぶべきこと ─ 生き残るための��ぢ本気度��ぢが違う 【PRESIDENT Online:2022年2月6日】 https://president.jp/articles/-/54325

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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