「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF:Global Cooperation and Training Framework)とはあまり聞き慣れない名だが、日本台湾交流協会台北事務所によれば「2015年に米台間で立ち上げられた人材育成の枠組み」だそうで、「公衆衛生や環境問題など地域の共通課題となっている分野についてワークショップを主催し、東南アジアや大洋州諸国を中心に各国から同分野の担当官や専門家を招き、交流を深めるという取組み」だという。
これまで「公衆衛生,エネルギー,女性の権利,法執行等,多岐に亘る議題について、様々な国・地域から専門家が集まり,議論を深め」てきたそうだ。日本も昨年(2019年)3月から各ワークショップの共催を開始して協力を強化してきているという。
中央通信社は、設立から5周年を迎えた6月1日、日本、米国、台湾の代表がパートナーシップの強化に向けた共同声明を発表し、記念記者会見を開いたと報じている。
このような形で日米台の関係ができていたことは誠に心強いものがある。下記に中央通信社の記事とともに、「共同声明」と日本台湾交流協会台北事務所が公式サイト内に開設した「専用ページ」をご紹介したい。
◆グローバル協力訓練枠組み5周年に係る共同声明 https://www.koryu.or.jp/Portals/0/taipei/event/20200601/GCTF%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%A3%B0%E6%98%8E.pdf
◆グローバル協力訓練枠組み(GCTF:Global Cooperation and Training Framework)専用ページ https://www.koryu.or.jp/business/gctf/
—————————————————————————————–台米日が共同声明 パートナーシップ強化へ 協力訓練枠組み5周年【中央通信社:2020年6月1日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202006010007.aspx
(台北中央社)世界の重大な課題について各国・地域の専門家が議論を深めるのを目的に台米日が協力して行う「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)の設立から5周年を迎えた1日、台米日の代表がパートナーシップの強化に向けた共同声明を発表した。台北市内で記念記者会見が開かれた。
GCTFは2015年、中華民国(台湾)外交部と米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)が共同で設立。昨年から日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会がパートナーとして加わった。これまでに公衆衛生や法執行、女性のエンパワーメント、再生可能エネルギーなど多岐にわたる議題について計23回のワークショップを開き、38カ国、500人を超える政府関係者や専門家が参加した。昨年からは第4の共催パートナーに各国が順番に加わり、昨年はスウェーデンとオーストラリア、今年はオランダが台米日と共同で開催する。
共同声明では協力分野の拡大について、外交部北米司にGCTFの事務局として「GCTFタスクフォース」を設置することや、GCTF参加者の人脈拡大を支援する「GCTF同窓会ネットワーク」の立ち上げ、ワークショップの頻度、規模、課題の範囲の拡大、台湾外での開催の増加、理念が近い国の参加の深さと幅の拡大を方策として打ち出した。
会見には呉?燮外交部長(外相)、ブレント・クリステンセンAIT台北事務所所長(大使に相当)、泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表(同)のほか、カナダやニュージーランド、スウェーデン、英国などの駐台代表や副代表らが出席した。
呉部長はあいさつで、このプラットフォームを通じて台湾の強みと専門性を発揮することで、地域内の国家の能力構築支援や多国間連携の強化、台湾と理念が近い国家間の実質的な関係増進につなげ、台湾の国際空間のさらなる拡大を図りたいと期待を寄せた。
クリステンセン氏は、米国はこれまで一貫して、台湾が国際機関やフォーラムに参加できるよう努力してきたとする一方で、台湾と世界の交流や知識の共有は「国際機関のリーダー層によって勝手に決められるべきではない」と訴えた。
泉氏は、GCTFに関する広報強化のため、専用ページを同協会の公式サイト内に開設したことに触れ、これまで以上に積極的にGCTFに協力していく姿勢を示した。また、「日本は台湾から離れることはないし、離れられない。日台は共に歩んでいく」と述べた。
(陳韻聿/編集:名切千絵)
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