日台関係基本法を早急に制定せよ  川村 純彦(川村研究所代表・国基研客員研究員)

本会が昨年度から発表している「政策提言」は、川村純彦(かわむら・すみひこ)常務
理事が座長をつとめる「日米台の安全保障等に関する研究会」で取りまとめている。

 去る3月24日に開催した理事会・総会で今年度の「政策提言」として「我が国の外交・安
全保障政策推進のため『日台関係基本法』を早急に制定せよ」を満場一致で可決、すでに
本誌でもお伝えしたように、「自由時報」が翌日の朝刊で報じ、「中央通信社」が自由時
報の報道を紹介する形で伝えている。

 川村座長は国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の客員研究員でもあることから、
同研究所の「今週の直言」に寄稿を求められ、また日本文化チャンネル桜「防人の道─今
日の自衛隊」(濱口和久キャスター)にも出演して日台関係基本法の制定の必要性を力説
した。

 ここに「今週の直言」に寄稿した全文を紹介するとともに、3月28日、YouTubeにアップ
された日本文化チャンネル桜の番組「日台関係基本法の制定と日台の連携について」を別
途、紹介したい。


日台関係基本法を早急に制定せよ 川村 純彦(川村研究所代表・国基研客員研究員)
【国家基本問題研究所「今週の直言 第186回」:平成25(2013)年3月25日】

 3月24日、日本李登輝友の会から「日台関係基本法」の制定を求める政策提言が発表され
た。安倍晋三首相が示した「海洋における法の支配」など新たな外交5原則とも相まって、
まさに時宜に適った提言である。

 我が国と台湾の交流は、その基本となる法律を欠いたまま、外務省と経済産業省所管の
公益財団法人である交流協会を通じて、経済、社会、文化などの分野で「非政府間の実務
関係」を続けている。

 他方、米国は1979年の台湾との断交に際して台湾関係法を制定し、台湾を中国とは別個
の存在とすることで、台湾との外交を行うための法的根拠を保持している。

 アジア・太平洋地域の覇権獲得を目指す中国は、地域の平和と安定にとって最大の脅威
となった。その脅威を抑止するため、中国の強引な海洋進出を牽制できる絶好な位置にあ
る台湾と日米同盟の協力は不可欠である。

●台湾を無視して海の自由守れぬ

 中国の脅威に対して日台は運命共同体というべき関係にありながら、我が国はこれまで
台湾問題について主体的な関与を避け、責任を回避してきた。

 法的基盤を欠いたままの現状では安全保障分野の交流もできず、極論すれば日本政府が
中国からの圧力を極度に恐れた場合、現行の交流も途絶する可能性すらある。今までのよ
うな無責任な態度を取り続ければ、日米同盟の絆が弱まり、地域の平和と安定が失われる
ことは避けられない。

 このような事態を防ぐには我が国でも、台湾関係法に基づいて安全保障を含む台湾との
関係を維持している米国の政策とも整合性の取れた日台関係基本法の制定が不可欠である。

 また、安倍首相は「海は法とルールの支配するところでなくてはならない」との原則を
含む外交5原則を発表した。安倍政権の外交・安全保障政策の基本は、日米同盟を基軸に価
値観を共有する諸国と協力して中国の独善的な行動を抑止し、地域の平和と安定を図るこ
とにある。

 台湾についての直接の言及はないものの、台湾の存在を無視しては新しい外交5原則の実
現は不可能であり、そのためにこそ以下を骨子とする日台関係基本法の制定を急ぐべきで
ある。

●総合的な日台関係を構築

1、我が国と台湾の関係は、もはや経済、社会、文化などに限定した実務関係だけで律す
 ることは極めて困難となっており、台湾の地位を法的に明確に規定すると共に、総合的
 な外交を行うための根拠法規が必要である。

2、我が国の国益増進及びアジア・太平洋地域の安定と発展のために、自由、民主主義、
 人権、法治等の共通の価値観を基に、平等互恵を原則とする日台間の関係を発展させる。

3、平和的手段以外によって台湾の将来を決定しようとする試みは、いかなるものであ
 れ、我が国及びアジア・太平洋地域の平和と安全に対する脅威となるものであり、我が
 国にとって重大関心事であることを宣明する。

4、我が国は、台湾関係法に基づく米国と台湾の関係を支持すると共に、海洋を力ではな
 く法が支配する自由で開かれた公共財として守るため、日米同盟を主軸に台湾と協力する。(了)


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