昨日のNNAニュースが伝えている。
ちなみに、日本政府のこれまでの説明によれば、「航空自由化」とは、政府によって制
限された2国間の路線、便数、運賃などを相互に撤廃し、民間が自由に設定できるようにす
ることだ。航空会社の競争を高めることが目的だそうで、日本は羽田空港と成田空港は対
象外として、2007年8月に韓国と締結して以降、マカオ、ベトナム、タイ、マレーシア、シ
ンガポール、スリランカ、カナダとオープンスカイ協定を締結し、また2010年10月、羽田・
成田両空港も対象にしたオープンスカイを初めて米国と結んでいるという。
NNAの記事では、台湾との協定締結は「今年8月のインドネシアに続く9カ国・地域目
となる」とあるが、10カ国・地域目のようだ。
それはともかく、先にお伝えしたように、今月は「日台投資協定」も締結されるので、
この航空自由化協定でまた日台の距離は縮まった。日台間でのFTA(自由貿易協定)締
結も現実味を帯びてきた。
日台が航空自由化協定に合意─交流協会会長、9月下旬に台北で調印
【NNAニュース:2011年9月6日】
日本と台湾は、航空自由化(オープンスカイ)協定に合意し、近く正式調印する。羽田
空港の深夜早朝時間帯の開放や成田国際空港の増便、首都圏以外の空港の開放などが内容
で、今月22日に調印予定。航空会社の自由な乗り入れが可能となり、航空券の値下がりや
増便による旅行日程の組みやすさなどが期待される。日台の人の往来がさらに活発化しそ
うだ。
日台交流の日本側民間窓口機関、交流協会の東京本部は5日、NNAに対し、「交渉をか
なり前から進めていた。協定内容はすでに詰めの段階にある」(総務部担当者)と述べた。
同担当者はまた、現任の大橋光夫会長(昭和電工相談役)が9月下旬、就任(今年6月)
以来初めて訪台し、台湾側の要人を表敬訪問する予定で、この日程調整を進めていること
を認めた。その上で、「新協定もタイミングが合えば、この訪台時に調印となる」と明ら
かにした。
台湾各紙はこのほど、大橋会長が来台し、22日に調印予定とそろって伝えた。実現すれ
ば、日本にとっては今年8月のインドネシアに続く9カ国・地域目となる。
■適用は冬季スケジュールから
3日付中国時報によると、同協定には、羽田空港を夜10時〜午前7時の深夜早朝時間帯で
開放するほか、成田国際空港で毎週2便の増便、その他空港では乗り入れ制限なしなどの取
り決めが盛り込まれた。関西や中部、北海道、九州などの空港への運航は原則自由化され、
台湾側も松山空港以外のどの空港からでも日本の地方への便を運航できることになる。交
通部民用航空局(民航局)の程嘉莉企画組長によれば、航空会社各社は10月30日から始ま
る冬季スケジュールから同協定に基づく運航を始められる。
台湾側からは官民ともに一斉に歓迎の声が上がっている。同部観光局の劉喜臨副局長は、
「日本からの観光客誘致で大きな障害の一つだった座席不足が解消される。東京や大阪以
外の地域の観光客が台湾へ来やすくなる」とその効果を当て込む。
中国時報旅行社の趙政岷総経理は「金曜日の仕事が終わった後、土日を使った週末2泊
のツアーも可能になる。観光客は日台相互で計1割増相当の年間20万人増える」とみてい
る。旅行業界では、航空券が現状より2割値下がりするとの見方も出ている。
交流協会によると、日台間の昨年の訪問者数は合計約235万人。前年比16%増えている。
■台湾は9カ国・地域目
日本の航空自由化政策は、2006年に安倍晋三内閣が「アジア・ゲートウエイ構想」を打
ち出したことで、空の開放に向けた政策転換が始まった。昨年6月に閣議決定された「新成
長戦略」にも受け継がれており、首都圏空港を含めたオープンスカイについて、これまで
に米国(10年10月)、韓国(同12月)、シンガポール(11年1月)、マレーシア(2月)、
香港(5月)、ベトナム(6月)、マカオ(7月)、インドネシア(8月)と速いペースで進
んできた。台湾との同協定締結はこれらに続くもので、さらに来年3月までに中国やタイ、